悪辣なロックを聴いているかのごとき心地よさ

悪徳と退嬰の街、夜柝市。
そこで生きる筋肉質な女パパラッチ江川崎と破天荒でバイオレンスなその『妹』、八島。
ふたりはそこに棲まう人々の汚濁と欲望を食い物にグレーにダーティーに生きていく。

一見バラバラに並行して進められていくエピソードが、一本の線でまとまりつつあるというシナリオ構成。

最大の魅力は文中にふんだんに盛り込まれた悪態、下ネタ、スラングの数々。
息もつかせぬその怒涛の言語センスは、ピー音だらけの洋楽を聴いているかのような、スパイシーでジャンクな快感がある傑作です。

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