6.会場のシューティングレンジを利用する翔也達
サバイバルゲームフィールドにやって来た俺達は、店員と思わしき人が俺の車に近付いて来た。なのでその人と話す為にサイドウィンドウを下げた。
「おはようございます!」
「おはようございます。えっとぉ……駐車場の方は何処にありますか?」
「駐車場は左折した先にあります。向こうにいる職員の指示に従って下さい」
「分かりました。ありがとうございます!」
そうお礼を言うと左折して車を駐車場に停めて外に出た。
「祐二さん達に今着いたって連絡を入れておいたから、こっちの方に来ると思う」
「えっ⁉︎ こっちに来る?」
「休憩所と駐車場は近いんだから……って、いたいた」
勝平が見ている方向に顔を向けて見ると、迷彩服を着た祐二さんが俺達に手を振りながら近付いて来ていた。
「ああ、ホントだ」
俺も祐二さんに手を振り、彼の下へ行くとにこやかな笑みを浮かべてくれた。
「「おはようございます!」」
「おはよう2人共、席の方は確保しているからそこに案内するよ」
「分かりました! 何だかワクワクするな、翔也!」
「まぁ……な」
俺としては、自宅からずっと運転してたから少し疲れた。だから休憩させて貰いたいところだ。
※長距離の運転をする際は眠たくなることがしばしばある。だから無理して目的地に向かおうとするのではなく、疲れて来たら途中のパーキングエリアや駐車スペースのあるコンビニなどで休憩するといい。
居眠り運転事故を起こしたくないだろう? それにサバイバルゲームフィールドは時間厳守な場所じゃないから、多少遅れても問題はない。……が、午後とかに着く予定だったら連絡を入れておけ! ……え? どうしてかって? 何を言ってるっ‼︎ 社会人としての常識範囲内だろうがぁ‼︎
祐二さんの案内で席までやって来ると、祐二さんと違う柄の戦闘服を彩さんがこっちに気付いて顔を向ける。
「2人共久しぶり。……って、翔也さんちょっと疲れてるみたいだけど大丈夫?」
「ええ…俺の車に勝平を乗せて来たので、ちょっと疲れています」
「運転疲れね。ゲームが始まるまでに時間があるから、それまで休んでおいた方がいいわ」
「ああ…はい」
免許を取って1年半に加えて、あんまり運転をしてなかったから接触事故起こさないかと怯えていた。
「彩、コイツを休憩させる前に受付けとか準備とかを済ませるのが先じゃないか?」
「あっ⁉︎ そうだったわね! 2人共ゴメンね、向こうに行って受付けを済ませて来て」
彩さんが指をさしている方に顔を向けて見ると、受付けと思われる場所の前に人が列になって並んでいた。
「あの行列に並ぶんですか?」
「そうよ。代表者の西沢 祐二って言えば、後はスムーズに終わる筈よ」
「それとレンタル装備を受け取ったら、向こうに更衣室があるからそこで着替えて来いよ」
「はい! 翔也、並ぶか」
「そうだな」
※翔也達が受付けをしている間に、サバイバルゲームフィールドの受付けまでの流れについて教官が語ろう。
フィールドに着いたら自分の席を決め、そこに荷物を置いて場所を確保する。しかし席を決める際テーブルに〜〜〜様と書かれた紙が置いてあることがあったり、店員の方から「ここのテーブルは使わないで下さい」と指示があったりもする。何故かって? それは団体で予約した人達用に用意された席で使って欲しくないからだ。
そして1人や2人でサバイバルゲームフィールドに来ているときは、知らない人と相席をお願いされることがある。なので相席出来る用に荷物をコンパクトにして相席出来るようにしておくのが、サバイバルゲーマーのマナーだ! 譲り合いの精神を忘れるなよ‼︎
受付けと着替え合わせて13分ほど時間が掛かった。
「レンタルセットと合わせて4500円かぁ……」
「それなりにお金が掛かるなぁ……」
「何言ってるんだ。ゴルフの半日貸し切りの方が金掛かるぞ」
「そうなんですか」
「そうだよ。それよりもどんなエアガンをレンタルしたんだ?」
「俺は、このちっこくて使いやすそうなヤツです」
勝平はそう言いながら、祐二さんにFPSゲームによく出て来るサブマシンガンを見せる。
「G&G MP5A2かぁ……そっちは?」
「俺はこのオーソドックスな銃です」
勝平と同じように持っている銃を見せると感心したような顔を見せる。
「東京マルイ製のM4A1…スタンダード電動ガンの方かぁ……弾が無くなったら、俺と彩のを分けてやるから安心してくれ」
「「ありがとうございます!」」
西沢さん達の弾を使わせて貰えるとは、何てお礼を言ったらいいのか。
「ところでその2丁はHOP調整の方はしてあるのか?」
「そうね…念の為にシューティングレンジの方で弾道を見た方がいいんじゃない?」
「弾道……」
「ホップ……調整?」
※弾道とは! 読んで字のごとく発射された弾の軌道ということ言う。そしてHOP調整は弾に逆回転を加えて地面に落ちにくくする為の機能である。このHOP機能を調節することにより、真っ直ぐ飛ぶ弾から山なりに跳ぶ弾道まで好きに変えられることが出来る。
そのHOP調整のやり方は至って簡単だ! 電動ガンの場合はチャンバーやコッキングレバーを引来っぱなしすれば、
種類によってはHOP調整が出来ないタイプや、外装の上や横に付いているものもあるから気を付けろよ‼︎
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