7.シューティングレンジの隅の行列は?

祐二さん達にシューティングレンジへと連れて来られた俺達は、空いているスペースへと向かう。


いろんな人が撃ってるんだなぁ〜……。


右を向けば的を狙って撃っている人がいて、左を向けばスナイパーライフルに付いているスコープ(?)の先端のネジをイジって何かをしている。


……ん? あれは?


「祐二さん、あそこに人が集まっているんですが…あれは何をしているんですか?」


シューティングレンジの隅でエアガンを持った人が列になって並んでいて、1番先頭の人が銃の先端に何か機会を被せて撃っている。


「ああ、あれは弾速チェックをしているんだ」


「「弾速チェックぅ?」」


※弾チェックに付いて、教官が教えよう!

日本の法律で0.2gのBB弾を使用したときの初速値0.989j。毎秒計算に直すと約98m/sのエアガンまでをエアガンと言う枠に入る。それ以上超えた場合は準空気銃という枠組になり、一般のヤツには買えないものとなってしまう!

そして大抵のサバイバルゲームフィールドでは0.2gのBB弾で初速98m/s以下のエアガンならフィールドで使用可能となっている。その基準を超えるエアガンを持って来てしまった場合は、その銃をフィールドでお預かりすることとなるが、場合のよっては警察に連絡される可能性がある!

なので!エアガンの内部カスタムする場合は市販で売られているエアガン用弾速計を買っておくことをオススメする!


「……と言うわけで、弾速チェックをしてないエアガンは使えないルールなんだ」


「そうなんだ」


「一応言っておくけど、お前達が持っているのはレンタル銃。だからチェックする必要はないぞ」


「フィールドで用意したエアガンだから?」


「そうだ。…っと、そんなことよりも鈴木さんのエアガンを貸してくれないか?」


「あ…どうぞどうぞ!」


勝平はそう言うと、祐二さんにエアガンを渡した。渡された方の祐二さんはシューティングレンジに立って勝平がレンタルしたエアガンを的に向けて数発撃った。


「……一応HOP調整はしてあるな。これが調整されているってことはそっちのM4A1もしてありそうだな」


祐二さんはそう言って、レンタル銃のレバーを引きながらダイヤルを確認していた。


「あの…祐二さん。そのHOP調整って何ですか?」


「ああ、このダイヤルを回せば弾道を真っ直ぐにしたり。山なり好きに変えられる」


「弾の重さに合わせてHOPを変えた方がいいわよ」


※弾の重さには0.2gの他に0.25gや0.28gもある。もう分かっていると思うが、重ければ重いほどHOPを強くしなければならない。

そして0.2gから0.28gの弾まで使えるフィールドもあれば、0.2gしか使えないフィールドもある。なので、各サバゲーフィールドのホームページのレギュレーションに記載されているから事前に確認しておいた方がいい。書いてない場合は問い合わせで確認するように!


「俺達の方は準備を済ませているからな。ミーティングを待つだけだ」


「ミーティング?」


「会場のルールとか注意点を話してからサバゲーを始めるのよ。その時にちゃんといないと、サバゲーをやらせて貰えないから2人共注意してね」


「はい」


「分かりました」


「彩、話終わったのか?」


「ええ、あっちに来てた人達も彼らと同じで初めてみたいだったから、初心者講習で一緒になるかもね」


「初心者講習?」


大学の講習みたいな感じのあれか?


そんなことを考えていると、彩さんが面白いものを見るような目で話始める。


「サバゲーの基礎とルールを無料で教えてくれる講習よ。大学や教習所のような堅苦しい教え方をしないから、安心して」


「ミーティングのときに専門用語とか話して分からなくなるかもしれないからな。受けておいて損はないぞ」


※ここでまたまた教官が登場!

彼らが話していた通りサバゲーを始める前にミーティングをするのだが、ゲームマスター…つまりフィールドの責任者がルールやなんかを分かりやすく教えてくれるのだが、ある程度の経験者目線で話をするので専門用語やなんかを使う!

なのでサバゲーを初めてやるヤツ。もしくは銃の扱い方が全く分からない方は初心者講習を受けた方がいい。前にも話したが講習は基本的に無料だから気兼ねに参加出来るぞ!


「時間もあるし、向こうでゆっくりしましょう」


「そうだな。俺からも銃の扱い方を教えておきたいからな」


祐二さんはそう言うと、シューティングレンジの方に向けて勝平がレンタルしているエアガンを2発撃ってから、銃の横にある出っ張っている部品を上に押した。


「あの……祐二さんは何をしたんですか?」


「彼はね。銃本体に弾が入ってないか撃って確かめてから、セーフティーを安全状態に掛けたの」


「セーフティー……」


「安全状態……」


「セーフティーってのは、グリップの上に付いてるこのパーツのことだ。お前が持ってるM4A1にも付いている。形は違うけどな」


「ああ〜……」


確かに、勝平とは違う形のものが俺の借りたエアガンにも付いている。


「これを掛けておくと撃てなくなる。そしてこのセーフティーゾーンでは、原則セーフティーを掛けておかなきゃいけない。だから常に気にしておくようにな」


「「分かりました!」」


その後は勝平がレンタル銃を受け取り、ミーティングが始まるまでゆっくりしているのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る