3.試射をする翔也達
「電動ガン、ガスガン、エアコッキングガンが基本的な種類なんだ」
「へぇ〜、そうなんですかぁ」
エアガンにも種類があったんだなぁ。
「因みに、店長がアナタ達に渡そうとしているのがガスハンドガンのGlock19よ」
「ガスハンドガン……」
「平たく説明すると、ガス式の拳銃だ。とにかく向こうに行って撃ってみろ。面白いと思うから」
撃ってみれば面白いかぁ……。
「翔也! ちょうど空いてるし、撃ってみようぜ!」
「あ、ああ……そうだな」
「ゴーグルは先に付けておけば忘れることはないわよ」
「あ、はい!」
テーブルに置かれたゴーグルを付けると、グロ……く? とか言うエアガンとマガジンを手に持ち、勝平と共にシューティングレンジの方へと行く。
「じゃっ、先に撃たせて貰うぜ!」
「いや…シューティングレンジが2つ並んでいるから、隣同士なるだろ」
「そうだったな」
そんな会話をした後、俺達は隣同士に並んでそれぞれ自分の手に持っている拳銃を見る。
「えっとぉ……これを差し込めば、撃てる……」
「それじゃ撃てないぞ」
「えっ⁉︎」
構えたところで声を掛けられたので、そっちを向いてしまった。
「それとアクリル板で区切られているけど、人に銃口を向けちゃダメよ」
「あっ⁉︎ ゴメンなさい!」
そう言って銃口を明後日の方向へ向ける俺に対して、勝平の方は扱い方を知っていたのかパンパンッ⁉︎ と撃っている。使い方を知っていたのか?
「ガスガンは一回コッキングしないと撃てない仕組みになっているんだ。だから、そのグロックのスライドを……と言っても分からないか。上のフレームを1回引っ張ってから手を離せ。そうすれば撃てる
後、東京マルイ製のGLOCKは裏返して前の方に金属製の細い板があるだろう? そこを反対側に……って、マニュアルセーフティーだから要らないか。銃口に付いているキャップを取って気にせず撃ってくれ!」
「あ…分かりました」
スライドを引っ張ってから手を離した。
※スライドを手で戻すと、チャンバー部分がちゃんと閉じていないことがある。だから、慣れていない内はスライドを引っ張ったら手を離すようにするんだ!
マニュアルセーフティー? そのことについては後々話をしよう。(by教官)
「撃てるようになったわね。あの的を狙って撃ってみて」
「はい!」
と返事して的を狙って撃ってみたのだが……。
「「当たらねぇ〜……」」
そうマガジンに入っていた弾を全部撃ち尽くしたのだが、5〜6回ぐらいしか的に当たってなかった。
「初めてで約10m離れた的に、それだけ当てられるのは凄いと思うわ」
「当たらないヤツは全弾撃っても当たらないからな」
何か…慰めているようで慰めてない気がする。
「何かこう、撃つのにコツとかあるんですか? このままじゃ悔しいです……」
勝平も5回ぐらいしか的に当たらなかったからなぁ。
「技術は色々あるけど……それを言ったら、ややこしくて付いていけないとおもうわよね?」
「ああ、そうだな。まぁサバゲーやる訳じゃないから、そんなに気にするな」
「サバゲー?」
「翔也、この間テレビでやってたエアガン撃ち合うあれだよ。あれ」
あれ……あっ⁉︎
「ああ、芸人達が楽しそうにやってた、あれのことかぁ〜」
※サバイバルゲームとは何か? 教官が説明しよう!
サバイバルゲームとは日本発祥のエアガンで撃ち合う遊びである!
遊びと言ってもゴルフをする為の施設があるようにサバイバルゲーム専用の施設がある。そこで定例会というのが毎週開かれている。何故かって? それ以外の場所でやろうとしたら、先ほど話したゴルフに共通することだが、一般市民がいるところでやったら危ない決まっているだろう? そう思わないか?
そしてその施設に行き、料金を払いゲームに参加する。ルール等はフィールドによって変わるのでフィールドマスター……つまり施設の責任者がゲームが始まる前に話をするので、しっかり聞くようにすること! 細かいルールとかは、その時に説明をしよう!
あと言い忘れていたが、フィールドによって定例会の日程が変わるのでその辺のことは行きたい場所のホームページを見て調べるようにすることと、定例会には予約が必要なフィールドがあるから注意しておくこと。以上だ!
「ちょっと前まではマイナーだったけど、段々認知度が上がってて今じゃ子連れで来る人もいるのよ」
「親子で一緒参加している人もいるしな」
「へぇ〜、そうなんですか」
何か、説明を省かれたような気がするのは気のせいだろうか?
「それで来週の日曜日に私達はサバイバルゲームに行く予定なのね?」
「ああ、最近休みの日程が合わなかったから楽しみだな」
ニコニコしながらお互いを見つめ合う2人を見つめていると、バーテンダーが俺達の目の前に立った。
「銃をお下げしてもよろしいですか?」
「構いませんよ」
「俺の方も……」
「では、お下げ致します」
そう言ってテーブルに置いてあるエアガンとゴーグルを引き下げると、またこっちを向いて来た。
「お客様。サバゲーにご興味があるのでしたら、彼らに連れて行って貰うのは、どうでしょうか?」
「「えっ⁉︎」」
俺達が、サバゲーに行く?
「いやいや、それはちょっと悪いですよ」
「そうだよぉ! あの人達の邪魔になるんじゃない?」
そう言って彼らを見つめると、キョトンとした顔をしていた。
「俺達は構わないと思っている」
「そうよ。私達だけで行く訳じゃないのだからね。むしろ新しい人大歓迎よ!」
俺の予想とは裏腹に、歓迎ムードな2人だった。てか、この人達の名前まだ知らないんだけど……。
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