サバゲーマーズ!

青空鰹

1.始まりはGUN&BAR

趣味とは。

色々な捉えようがあるが、簡単に説明すると好きなことや興味あることを楽しむことである。

そして趣味は多種多様である。例を上げれば車の運転が好きな人は、よくドライブをする。ゴルフが好きな人ならゴルフコースに行き、ゴルフを楽しむ。サッカーが好きな人ならばサッカー仲間と共にサッカーをする。

それに誰しもがその趣味を始める切っ掛けがある。例えば友人から誘われたから。テレビやYouTubeで観て自分も興味を持ったから。あるいは父、もしくは母など家族がやっていたからなど様々。

そんな中でもひょんなことから趣味になった者達がいた。そんな彼がサバイバルゲーム。通称サバゲーを始める彼の物語である……。


東京都にある繁華街。その一軒から2人の男性が仲良く出て来た。


「よっしゃあ! 次の店に行こーぜ!」


ハイテンションに話し掛ける金髪の彼の名は、鈴木 勝平。20歳の大学生である。


「おい……ここだけで終わりって言ってただろう。お金大丈夫か」


友人を見下ろしながら話し掛ける彼は、 伊上 翔也 中小企業に勤める会社員である。

そう、彼ら……と言うよりも 伊上 翔也 が20歳になったので、その祝いに飲み屋へ行く形になった。話の流れで分かっていると思うが、 鈴木 勝平 の方が誕生日が1月も早い。


「大丈夫だって! バイト代が出たから、もう一件ぐらい行けるって!」


本当にそうかなぁ?


伊上は背の低い鈴木を心配そうな顔で見下ろしながら思うが、その勝平は次の店を探しているのか辺りをキョロキョロしている。


ここでコイツを止めないといけない気がする。


勝平とは中学からの付き合いだ。同じ高校に進学した。そして冒頭でも伝えたが勝平は大学に行き、俺は学びたいことがなかったので中小企業に就職し、社会人となった。


「ん〜……おっ⁉︎ あの店おもしろそうじゃないか!」


「あっ⁉︎ おい、ちょっと待て‼︎」


勝平は俺が静止する声も聞かず、目に付いた店へと近付いてしまった。その後を追い、お店の看板を見つめる。


「ぐ、グン? アンド……いや、GUN&BAR?」


銃とバー? しかもゲームとかでよく見るターゲットマークに銃らしきものが描かれてる。


「何なんだ、この店」


如何にもヤバそうな雰囲気を醸し出してる


「なぁ、ここは止めておいた方がいいんじゃないか?」


「どうして?」


「どうしても何も……」


看板に試射有りとか書かれてるし、何よりも銃が扱えるとなるとさぁ……。


「大丈夫だって! ほら、ここにエアガンって書いてあるじゃん」


「エアガン?」


看板から避けたところに[GUM&BARで取り扱っている銃は全てエアガンなので、実銃は置いておりません。

なおエアガンの持ち込みに関しては原則OKですが、窃盗及び紛失は自己責任でお願い致します]と書かれていた。


「あ、ああ……エアガンだけ取り扱っているのか」


なら安心したぁ〜。


※ ここからはサバゲーの教官である俺が解説しよう!

エアガンとは?

空気圧を利用してBB弾を発射させる銃のオモチャのことだ。

基本的には本物の銃と同じ形しているものもあれば、現実にない仮想的なものまである。

そのエアガンは専門のお店やネット通販で買えるのだが、ゲームの適正年齢と同じで18歳用と10歳用と様々ある。

ただし、ゲームと違うのは18歳用のエアガンは18歳未満のヤツには買えない上に、法律の関係上18歳未満のヤツが所持が許されていない為、警察沙汰になるぞ!

18歳用のエアガンは18歳になってから買うようにすることだ!

……え? お前誰だって? 教官とでも言ってくれればいい‼︎ 話は以上だ! 本編に戻るぞ‼︎


「本物の銃を取り扱っている訳じゃないんだから、大丈夫だろう!」


「大丈夫って……おい!」


勝平は意気揚々と店の中へと入って行ってしまった。


このまま帰るとアイツに怒られるからなぁ〜……仕方ない。


内心ビビリながら店内へと入ると、勝平がカウンター席の方に座って俺に向かって手を振っていた。


アイツもう席取ったのか。……それに店の雰囲気が思っていたのとは違うな。


翔也自身は派手な感じのバーを想像していたが、想像とは裏腹に店内はカジュアルな雰囲気でありつつ落ち着いた雰囲気も持っていた。

でも他の店とは違って左側の壁には色んな銃……ではなくエアガンが飾られていて、その反対側では銃を撃つ場所。いわゆるシューティングレンジがあり、そこで客らしき人物が撃っていた。


「何してんだ! 早くこっちに来いよ!」


勝平の声に我に返った俺は勝平の元へと行き、隣りの席に座った。


「ゴメン、ちょっと店内の雰囲気に圧倒されてな……」


「俺も驚いたよ! 思っていたのと雰囲気が違うからさ! あっ! すみません、ビールを1つお願いします!」


「俺も同じものと、ポテトの詰め合わせをお願いします」


「畏まりました」


バーテンダーはそう言うと、冷蔵庫からビール瓶を2本取り出してコップと共に俺達の前に置いた。


「そんじゃあ、お前の誕生日を祝って……乾杯!」


「……乾杯」


前の店で何度も言ってグラスを叩いたので、翔也は「これで何回目だよ」と心の中でツッコミを入れるのであった。

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