5.サバイバルゲームフィールドの向かう前に友人宅へ
シューティングバーを楽しんだその数日後、約束の日曜日が来た。朝の5時に起きた俺は朝食を取ってから持ち物を確認した後、勝平を迎えに行く為に自家用車に乗り込んだ。
「朝の5時45分……アイツ起きてるかなぁ?」
一応連絡を入れておこうか。……いや、着いてからにしておこう。
そう思いながらスマホを取り出し、今日向かうサバイバルゲーム会場の住所をカーナビに入れてから、勝平の家に向けて車を発進させる。
今だけど俺の家から勝平の家は近いから、もう少し遅く行ってもよかったかなぁ?
そう思いながら運転をしていると。ものの5分で勝平の家に着いてしまったので、勝平の家の前に車を停める。
「ちょっと出るのが早かったな」
何て思って勝平いると、勝平の家のドアが開いた。
「ん?」
勝平のヤツ、エンジン音で俺が来たことに気付いたのか?
……と思っていたのだが勝平の父親が出て来たのだ。
「勝平じゃなく親父さんの方だったか」
向こうも俺のことに気付いたらしく、俺の下にやって来た。
「おはよう翔也くん」
「おはようございます、おじさん」
「勝平から聞いたよぉ、今日はサバイバルゲームってのをやりに行くんだよね?」
「まぁ……はい。あの後、勝平のヤツ大丈夫でした?」
結構お酒を飲んでいたから、二日酔いしていないか心配でたまらなかった。
「あ〜……案の定お酒を飲み過ぎて二日酔いになっちゃったよ」
「ああ……やっぱりそうなりましたか」
「でも薬とか使って治したから大丈夫だよ。勝平をここに呼ぼうか?」
「出掛ける準備が出来ているのなら、ここに呼んで来て下さい」
じゃないとアイツはマイペースだから、遅れて来るに決まっている。
「分かった。ちょっと待っててね」
おじさんはそう言うと、ポストに入っている新聞を取り出してから自身の家へと戻って行く。
時間にも余裕があるし、勝平が来るまで待ってよう。
スマホを取り出した俺はニュースに目を通していく。
「……ん? ユーミンがサバイバルゲーム好き?」
人気アイドルのユーミンが、サバイバルゲーム好きとはねぇ〜……。
※サバイバルゲームには関係ないが、人気アイドルユーミンのことを教官が教えよう!
テレビに引っ張りだこなのはもちろんのこと、動画サイトの専門チャンネルがある上、インスタグラムのフォロワー数は何と90万人以上を誇っており、今なお増え続けているとのこと。
因みに俺はユーミンのファンではない。
そんなことを思っていたらドアの窓をコンコンッと叩かれたので、音がした方向に顔を向けると勝平が笑顔で手を振っていた。なので俺はドアウィンドウを下げて勝平に話し掛ける。
「おはよう、勝平」
「オッス、翔也! お前は相変わらず早いなぁ〜」
「普通遅れて来たら、相手に迷惑掛かるだろうが。そんなことより、この記事見てみろよ」
「記事? ……これはっ⁉︎」
俺のスマホをぶん取ると、食い入るような目で画面を見つめる。
「あ、あのユーミンが……サバイバルゲームをやっていたなんて…………サバイバルゲームをやってれば、いつかユーミンと会えるかな?」
「……さぁな」
そう、コイツはユーミンの大ファンなのだ。
「そんなことよりも、行く準備は出来たんだろう?」
「ああ、バッチリ!」
「なら車に乗ってくれ」
「了解!」
勝平はそう言うと俺の車に乗り込み、スマホを返して来た。
「サバゲー楽しみだなぁ〜……もしかしたら行った先でユーミンに会え……」
「いや、そんな偶然起こる訳ないだろう」
「だよなぁ〜……もう目的地の登録は済ませてあるのか?」
「ああ、お前の家に行く前に登録しておいた。高速乗る前にどっかコンビニに寄るか? フィールドに着くまでに1時間半ぐらい掛かるし」
カーナビの到着予定時間に指をさして言うと、勝平は少し悩んだ様子を見せる。
「う〜ん……俺は買うもんないけど寄って行きたいのなら、寄って行けば」
「分かった。買いたいものがあるから寄るよ」
そう言った後、高速道路に乗る前にコンビニ寄ってコーヒー缶とパンを購入すした。
「コーヒーは分かるけどパンも買うのか」
「まぁな。朝早く朝食を取るとお昼前にお腹が空くんだよ」
「ああ〜、なるほどなぁ〜」
納得した様子を見せる勝平を余所にエンジンを掛けて出発した。
フィールドの近くまでの間は他愛もない話をしたり、ラジオを掛けて聴いたりもした。
「……もうすぐ着くけど、彩さん達と連絡取れたか?」
「ああ、彩さん達はもう既にフィールドに着いているだってさ。フィールドはもう開いているから入れるだってさ」
「フィールドが開いている?」
「場所によっては、いつでもゲートオープンしている場所と時間まで閉めているところがあるらしいんだ。……で、今回行く場所は後者の方だから時間より早く着いたら、何処か近くのコンビニで待っていなきゃいけないみたいだ」
「はぁ〜……そうなのかぁ〜。ん? あれがサバイバルゲームフィールドじゃないか?」
「あれっぽいな」
2人でそう言いながら、目的地であるサバイバルゲームフィールドへと入って行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます