オリジナリティ溢れる世界観を10000文字で楽しめる

和風ファンタジーという新鮮な設定が盛沢山の短編です。

呪文を唱えて火が出るタイプに慣れてきた世の中ですが、そこで少し味を変えてくれるのがこの作品。「ファンタジーと言っても色々あるよな……」と思い出させてくれました。世界観も現代ベースなので読みやすいです。

前編、中編、後編とテンポ良くまとまっているのは「まるで当然」と言わんばかりのクオリティ。そこにしっかりと書き手「 綺嬋(ちー・ちゃん)」味が表現されています。殊に、登場人物の関係性および心理描写の味わいが濃厚。物語の中で素材を用意し、感動へと調理していく……と言うべきでしょうか。

娯楽には飢えているけど味変してみたい。
そんな小説グルメな貴方にオススメな一作です。

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