メガネっ子が登場して活躍する小説は数あれど、メガネっ子オンリーかつ、メガネの話オンリーなラブコメはないと思います。
メガネがただの視力補正の道具やファッションの一部として終わらず、一人の人間のアイデンティティを確立するセルになっていることを証明しています。
また、メガネ小説だからこそなせる描写や記号の使い方など、そのディテールに宿った世界観は、確実にこの小説を唯一無二のものに仕立て上げてくれています。
メガネを掛けて、コンタクトを嵌めて、裸眼で……見えるものと見えないもの。出来ることと出来ないこと。一つ一つ、取捨を決めて。
これは二人の少年少女の——やさしい度数調節の物語。