結局さ、<他人を傷付けようとする人><他人を傷付けて平然としてられる人>って幸せになれないんだろうなってすごく思ってる

 結局さ、

 <他人を傷付けようとする人>

 <他人を傷付けて平然としてられる人>

 って幸せになれないんだろうなってすごく思ってる。

 だってそうでしょ? 他人を傷付ければ、傷付けられた人は、当然、それを恨みに思うだろうし、<復讐>とまではいかなくても、

『不幸になれ』

 くらいは思うだろうし、チャンスが巡ってきたら些細な<仕返し>くらいはしようと思うよね?

 じゃあそれでもう、自分の幸せを壊そうと虎視眈々と狙ってくる人ができちゃうじゃん。

 何もしてなくても目を付けられることもあるのに、わざわざ自分でその原因を作るんだから、ホント、なにしてんだろって思うよ。

 私の両親と兄がホントそれ。

 父は、子供の頃からイジメる側で、他人の不幸の上に自分の人生を築いてきたような人だった。

 母も、基本的に父の同類。かつ見栄っ張り。

 で、兄は父のコピーみたいな人間。

 父も兄も、まあ仕事の上ではそれなりに成功してきたみたい。おかげで家は割と裕福だったと思う。

 世間はそういうのを、

 <幸せ>

 って言うかもしれないけど、私は<人生で一番の友人>って思える相手に出逢えるまで<幸せ>なんてまともに感じた覚えがないよ。

 特に家にいた時なんかは最悪だった。

 家での私は、

 <兄のストレス発散のためのサンドバッグ>

 だった。小さい頃から兄は何か気に入らないことがあると、私を怒鳴って殴って蹴ってってしてた。

 しかも両親は兄を溺愛してて、兄が私をサンドバッグにしてたのも両親がそうするように仕向けたってのも知ってる。

 そのために私を作ったんだよ。

 それだけじゃない。兄の性的な欲望の捌け口にも私を使えばいいと思ってた節もある。

 幸い、私はそこまでの目には遭わなかったけど、世の中には実際にそういう目に遭った人もいるんじゃないかな。

 で、他人の不幸の上に自分の人生を築いてきてた両親と兄だったけど、兄がパワハラで部下を自殺未遂にまで追い込んでそれで訴えられてからは、まあ風向きが変わったね。

 それまで泣き寝入りしてた人達まで次々と兄に不利な証言をし始めて、強気で無実を訴えて抗弁してた兄はがっつり敗訴。

 でもめげることなく今度は、

『会社の命令でやっただけだ! 自分は悪くない!!』

 って主張し始めて会社を提訴。今も係争中だ。

 そんなこんなで世間にも悪評が広まって、某掲示板では絶好の<玩具おもちゃ>にされてるらしい。

 しかも兄だけじゃなくて、兄の無実を訴えてテレビのインタビューにまで応えてた両親も、兄を訴えた人や不利な証言をした人達を、

「自分の無能を棚に上げて成功者を妬む卑劣な輩!」

 と罵ったもんだからそれこそ<火に油>。まあ燃えた燃えた。

 私にはあれのどこが<幸せ>なのか、まったく分からないよ。


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