スペースオブライフ

らんぐどしゃ

スペースオブライフ

 僕はキラキラ光る惑星に囲まれていた。

 ふわふわ浮かぶ惑星達はくすくすと小さな笑い声をあげている。

 いつか流れた星屑が稲妻となって僕の体を貫いた。

 僕はその時生命になった。


 星屑の海を渡り、本の草原でお昼寝、ふわふわの森を駆け抜けた。

 生命はなんて素敵なものなんだろう。

 僕は高鳴る鼓動を抑えきれず駆け回った。


 森の中に大きな池があった。

 墨でできたような色の池がぽっかりと僕を待ち構えている。

 僕は無性にその池に入らなければならないと思い、恐る恐る体を池に沈めた。


 どろり、どろり。

 体に纒わり付く液体が気持ち悪い。

 体の中にも不愉快なものが入り込んでくる。

 はやく、はやく戻らなければ。


「知ってるかい?生きるってのは大変なんだよ。」

 池の底から声が聞こえた。

 すると、にゅるにゅると無数の手が出て来て僕を離すまいとしがみついた。


 いやだ、いやだ。

 誰か助けて。


「無駄さ、皆僕らと同じなんだから。

 君も僕らと同じく苦しまないとね。

 1人だけ楽しく生きようなんてずるいよ。」


 僕の体はどんどんと沈みこんで光も何も見えなくなった。

 あぁ、暗いなぁ。


 ふと、上から楽しそうな声が聞こえた。

 あの子だけずるいな。

 僕も楽しく生きたいのに。

 ずるい、ずるいよ。

 僕は両手を上にめいっぱい伸ばした。


「君もこっちにおいでよ。」

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スペースオブライフ らんぐどしゃ @ramanama20

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