ちょっぴり切ないけれどそれ以上に温かい、家族団らんで過ごす大みそか

多くの人が抱えている食べ物の好き嫌い。この物語に出てくる主人公は小さい頃のトラウマがきっかけでそばが苦手で、大みそかの風物詩である年越しそばも当然口にすることができません。
そんなある日の大みそか、年越し前に祖母が認知症になってしまったことがわかりました。それを知った時私も主人公と同じように、呆然としてしまいました。

苦手な食べ物を差し出されてもなお「合ってたよ」と口にできたのは、家族だからこそ言えた言葉だったのではないかと思います。
認知症になってしまったのは切ないですが、今年の大みそかの日も穏やかに笑っている祖母の顔を想像すると、不思議と温かい気持ちになります。

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