百年も三百年も千年もを紡ぐ長編ホラーの卵のような物語

出会ってから一年近く……でも結局半分以上はイッキ読み!
時代と人の営みは脈々と続く一方、憎しみと傷は風化して勝手に癒えるものではない。そんなキャッチで長編シリーズ化したら面白そう。


四方山話も交えながら、主人公による導入は淡々と始まります。少し読み進めるとマツじいが登場します。導入パートはそこで折り返しです。

本当に物語が始まるのは主人公が七歳の頃、同じ歳の友達と森で遊ぶ辺りから。謎の洞窟が出てきたり、気弱そうな女子が意味深なことを言ったり。良いですねぇ。

けれど、ここでもまだ淡々と読み進めてしまって大丈夫です。サクサクいこう。大丈夫!田舎とJホラーは相性バッチリだから!

そのままずっと淡々と読み進めていってください。ずーっと淡々と読んでいたはずなのに、気づけば目をかっ開き、心臓をドカドカと鳴らしながら、いつの間にかあなたは一話目に戻っている。二周目が本番です。