昭和の田舎のおじさんの、朴訥で破天荒なノブレスオブリージュ

ちょっぴり内気なはにかみ屋(ちょうどこの時代の、桜田淳子さんのとある歌より)ともいうべき青年の父は、故郷の名士。こちらのおじさんは、父と違ってまあ、破天荒な型破りな、そんなお方。

そんな息子の結婚を、うまいこと後押し。
裏表なき強引な、それでいて人とのつながりをつくりあげていくパワーは、昭和のおじさんたちの、決して悪い意味ではなく、破天荒だけど朴訥な「ノブレス・オブリージュ」だったのだと、私には思えた。
というのも、私の祖父どちらも、おおむねこのおじさんと同じくらいか、もう少し
若いくらいの人だったからね。

こんなおじさん、いまなら、どんな扱いを受けるのだろう。
先日の張本勲さんみたいに、「炎上バッシング」されてしまうかもね。
あ、張本さんも、この時代の野球のスーパースターだった(苦笑)。

昭和戦後の日本社会をつくりあげてきたのは、この物語の村議会議員のおじさんのような、朴訥だけど誠実なノブレス・オブリージュを持ち、そしてそれを自分の身内や知人に対して言動で示されていた人たちなのではないかと、改めて感じさせられました。

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