第3話

「事態は、そんなに簡単では、ありません」


 トリガーになる言葉を発しない事は、おそらく不可能であると第三者機関は、結論づけていた。表現を変えても同反応が起こったからだ。


「後日、別実験で、『旨い』と、表現を変えてもらいましたが、その場合も強い共感反応は、起きました」


「では、赤いキツネと緑のタヌキは、販売中止の方向で」


 厚生省は、顔を赤くしました。


「子供達の不純異性交遊は、阻止しなければ」


 文科省も、顔を赤くしました。


 各省の言及後、あまりにも浅い考え過ぎたと気付き、羞恥により、交感神経が活躍している人たちを無視して、第三者機関の報告は、続いた。


(今後の対策)


 現在、共感反応の起因物質の洗い出しを研究機関に、依頼しているが、時間がかかることを考慮して、この場で何らかの対策を考えた方が良いと意見を提出、出席者は、承諾した。


 休憩時間が設けられ、一時間後に会議再開する事となった。


 休憩中、東洋水産の御厚意で、赤いキツネと緑のタヌキが提供された。

 各々好みで、カップ麺を選択。

 各個にお湯を注いだ。


 会議室のあちらこちらで、


「美味しい」


「旨い」


 の声が、飛び出し、トリガーとなる感想発言の阻害は、不可能と再確認された。


 会議再開の十時間後、各省の研修中の男女のカップルが三組誕生した事と、ありのままを国民に知らせるという結論が、会議の収穫となった。


 これにより、


「僕と赤いキツネを食べていただけませんか」


「私と緑のタヌキを食べていただけませんか」


 両者が、高校生が選ぶ、告白時に使用される愛の言葉一位になった。


        終わり(^^)

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校生の選ぶ愛の告白の言葉一位は、こうして生まれた。 @ramia294

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ