まさに「こういうのでいいんだよ!!!」の完成形

要素だけを抜き出すと割とありがちなヒューマンドラマものでご都合主義ともとれるが、筆者の筆力がそれを受け入れられる世界を読み手に提供してくれている。
一方的な押しつけではなく悪意の存在も描写され、しかし過剰に善も悪も装飾されずいい意味で「リアル」な感情の動きが情緒をえぐってきて二章読了時辺りで読み手の情緒がバグる。

時系列が少し入り組んではいるが恐らく作者の意図した演出なのでとりあえず読み進めればちゃんと繋がるので安心して欲しい。

日頃の人間関係に疲れた方、パワーゴリラ転生物(これはこれで良いものだが)、ちょっと重いものを読みすぎた時に読むと風邪ひいた時の素うどんのようにつるっと読める良い作品。

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