エピローグ
「速報です、汚職事件に新たな展開です!」
ワイドショーの司会者が驚いた顔でニュースを読み上げた。
「多額の金銭を受け取って、逃亡していた議員秘書が出頭した事件ですが、今朝方、当時の第二秘書が、『議員自身が独断で金銭を受け取っていた』、とされる証拠を検察に提出したそうです。これにより捜査は急展開する模様です」
ベッドの中の老人は、ニヤリと笑うと、テレビのスイッチを切り、小さな窓に掛けられているカーテンをそっと開けた。
窓の外は、紅や黄に色づいた雄大な山並みが連なっている。
黄昏時を迎えて、オレンジ色の夕日を浴びた森は、燃え上がるように輝き、その圧倒的な美しさに目を細めた老人は、微かに笑うと、ゆっくりと目を閉じ、安らかなる眠りについた。
(了)
---
最後までお付き合い頂き有難うございました。拙い作品ではございますが、ご感想など頂けましたら幸いです。
さいはての約束 T.KANEKO @t-kaneko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます