本作は小説投稿サイトに初投稿をした著者さん(本人ではなくあくまでフィクション)が体験した不気味なエピソードを(あくまでフィクションとして)描いた作品だということですが……あまりにリアル。エッセイ風のこの文体のリアルさは本当にフィクションなのか? とどうしても作り物だとは信じられません。改めてあらすじを読み返してもそう書いてはあるのですが……本当にフィクションなんですかね?
軽薄な口調で語られる作者の話しは終始胡散臭くもあり、ゆえに生々しさというものが生まれます。テンションもどこか吹っ飛んでいてリレーのように与えられるお題にどんどん答えていく。実は自分が何をさせられているかを知るとき…フィクションと謳ってますが、その言葉も軽い。だから、リアルに寄り添う口語調による旨味が抜群の(恐怖的な)効果を作り出せているのだと思いました。ぞっ、と顔面蒼白するような経験をさせていただいた作品です。皆様も、すこしだけ作者の嘘に踊らされてみては如何かと?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(215文字)