第20話 エンディング
【前書き】
ほったらかしにするのもアレなので、終わらせに来ました。
◇
「うおおおおおおおお!」
僕はミノタウロスに斬りかかった。
「ぐあああああああ!?」
いとも簡単に、僕の件がミノタウロスを斬り裂く!
やつは真っ二つに斬れてその場に倒れた。
「よし……! じゃなかった……シロさん……! 大丈夫ですか!?」
「ゼンくん! さすが! ありがとう……!」
ミノタウロスにつかまっているシロさんを助け出す。
よかった、いつも守ってばかりだったけど、今回は僕がシロさんの役に立つことができた!
「一人でミノタウロスを倒してしまうなんて……見違えたね。すごい成長だよゼンくん」
「いえいえ、シロさんのおかげですよ」
「今の君になら……話してもいいのかな……」
「え……? なにがですか……?」
なにやら意味深なことを言って、シロさんは鎧を脱ぎ始めた。
「ええええええええ!? な、なにをしてるんですか……!?」
ま、まさかダンジョンで脱ぎだすなんて。
僕はこれから迫られてしまうのだろうか……!? いや、まさかね。
シロさんは兜を脱いで、そして髪をほどいた。
すると……。
そこにいたのは僕もよく知った人物だった。
「ら、ラフラさん……!? ど、どういうことなんですか……!?」
「はは……ごめんなさい、ゼンくん」
まさか驚いたことに、シロさんがラフラさんに変化した……?
いや、二人は同一人物なのか……!?
なにが起こっているのかよくわからない。
「今まで黙っていてごめんなさい。私が……ラフラがシロなんです」
「えええええええええ!? う、受付嬢さんが……!?」
いったいなにがどうなったらそうなるんだろう。
っていうか、僕は今までなんで気づかなかったんだ……!?
「あ……!」
ラフラさんがシロさんだということに気づいて、僕はあることを思い出す。
そういえば、僕はこれまでにさんざんシロさんに対する思いを、ラフラさんに語ってきたっけ……。
ってことは、あれは全部本人に聞かれてたってこと……!?
僕は顔を真っ赤にして照れてしまう。
「うわあああああ、僕今までなんてことを……!」
「だ、大丈夫ですよ! 私のほうが恥ずかしかったですから……!」
「そ、そういう問題じゃありません……!」
どうしよう、もうラフラさんの顔が見れないや……。
「あの……なかなか言い出せなくてごめんなさい。実はこれにはいろいろ事情があって」
「そうなんですか……?」
「実は私の父は……昔、冒険者だったんです」
「だった……?」
「はい」
それからラフラさんは、お父さんの話を聞かせてくれた。
どうやら彼女の父は有名な冒険者で、でもクエストの途中で命を落としてしまったらしい。
それは、ギルドがクエストの難易度を管理しきれていなかったせいでおこった事故だという。
そのことをきっかけに、彼女は受付嬢を志したそうだ。
自分が受付嬢として、しっかりとクエストを管理することで、もう二度と同じように冒険者が死ぬことがないように。
だけど、彼女の才能は一級品だ。
冒険者としての才能が開花してしまい、いつのまにか冒険者としても名をあげていたそうだ。
はじめは、受付嬢の仕事の一環で冒険者じみたことをしていただけなのだそうだけど。
そのうち、シロの名前だけが独り歩きして、今のような感じになったらしい。
「そうだったんですか……」
「はい」
「それで……どうして僕にだけそれを打ち明けてくれたんですか?」
「それは……ゼンくんなら、大丈夫だと思ったからです」
「え……?」
「これからも、私といっしょに戦ってくれますか?」
「はい、もちろんです……!」
こうして僕たちは力を合わせて冒険者たちの平和をまもっていくことになった。
もう誰も死なせたくないというラフラさんの思いには、僕も同意だ。
このあと僕たちは無事に結ばれ、幸せに暮らすのだけど――それはまた、別のお話。
僕たちの戦いは、まだまだ続くのだった。
――完。
=============
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憧れのS級冒険者さんの正体がギルドの受付嬢さんだった件。感謝の思いを語っていたら、いつの間にか口説いていたようで、知らない間に惚れられていました。奈落に追放されたけどいっしょに鍛えて世界最強! 月ノみんと@世界樹1巻発売中 @MintoTsukino
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