壊れ物の世界
@mia
第1話
世界は壊れかけていた。
ある土地では太陽が照りつけ、川や湖は干あがり地面はひび割れていた。草木は枯れ、生き物は飢えていった。
別の土地では雨が降り続き、地面は水で覆われていた。あらゆるものが朽ちていった。病がはびこり、生き物は倒れていった。
彼はそうなってしまった世界をも、愛おしく思っていた。
誰かが、彼に尋ねた。
「君はなぜ壊れ物の世界を抱くの?」
「これは、僕の愛おしい世界だから」
彼は抱いた世界に微笑みながらそう答えると、想いが世界に伝わる。
彼の世界の地は裂け、山は火を噴き、海は割れた。
これからの彼は無になった世界を抱いていくのであろう。
壊れ物の世界 @mia
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます