幸せの蜻蛉よ お前は何処へ飛んでいく

初恋の失恋をこじらせたばかりに、人を好きになるのに臆病になる話はよく聞く。

本作の主人公は、初恋の喪失体験が好きになる人はみんな去っていくのが人生なのだと悟り、トラウマとして引きずったことで自暴自棄に陥るのだけれども、その感覚に快感を覚えてしまったことでマゾ体質になったのかしらん。
だから、自分を貶めるような行為にわざわざ身をおく。
精神的自傷行為に走ることで、自分はまだ傷つくことができる生きた人間だと再確認しつつ、誰かを好きになることもできると再認識して安心感を得ようとしてきたのかもしれない。

恋に臆病になった話だけれど、ラストで彼は少しは付き合えるようになったかもしれない。