一幕の芝居のような切り方で、人物の来し方や情感が描いてあります。良いお話です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(174文字)
ひとつひとつの言葉の扱われ方が本当に綺麗で、すべてを読み終えた後、そっと息を吐きました。ストーリーもそうですが、それを紡ぎ出す一言一句がそれぞれの情景を映し出し、セピア色に色あせたこころに灯りが灯るようでした。
至極のコーヒーのような作品。必読!
文章の運びも読後感も、とても穏やかで心地よく、珈琲のお供にピッタリでした。ちょうど今、珈琲を飲んでおりまして。人生の酸味苦味とともに、コク深く戴きましょう。
疲れたときや、迷ったとき、美味しい珈琲のその一杯が、心を癒してくれることはありませんか?この作品は、そんな美味しい珈琲のようなお話です。
文章は美しいし、情景も見えて来ました。ですが、装飾の文章が増長し過ぎて、物語の展開の邪魔になりました。また、主人公が女性なのか男性なのか、半ば過ぎの会話から漸く分かりました。物語の展開が突然で、受け止めるのに戸惑いました。美しい文章をお書きになるので、もう少しリラックスして書かれると良いのかも知れません。良い作品でした。
この物語を読むと、頭の中が、グルグルと、回り出して、色々考えてしまいます。 現在の自分が、再会する人に、恥ずかしくない、生き方をしていれば、このコーヒーは、強く、気高く香るのではないか? 再会する人への思いが、まだ、胸の片隅に残っているなら、甘く、秘やかに香るのではないか? 次々に想像しだして、眠気が吹き飛んでいきます。 まさしく、一杯の珈琲の様な作品です。