穏やかな語り口は花のごとく

恥ずかしながらこの作品に触れるまで、作中で取り扱っている花や植物の大半を、名前すら存じませんでした。

花言葉はもとより、由来やそれにまつわる豆知識などが豊富で、日頃から探究心を持って花の世界を深く掘り下げていることがうかがえます。

そして自身の日常も交えながら語りかけてくるおかげで、親しみやすさを覚えながらすらすらと読めます。

特にサボテンのくだりは知らないことばかり。不勉強……というか、今まで素通りしていたんだなと気付かされました。

惜しむらくは、カクヨム小説に画像を載せる機能がないことでしょうか。花の外見がわかれば、もっとイメージしやすいかもしれません。

オチをつけたり、連続性がない代わりにどこから読んでもよかったりと、読みやすい工夫がなされています。

こういう優しいつくりは、是非とも見習いたい所存です。