圧倒的な知識。
まさにそんな言葉がぴったりな作者さんです。
私も後宮もののお話が大好きでたくさん本を読みますし、ドラマも見ます。後宮の烏も大好きな作品です。なので聞き慣れた言葉もありましたが、それ以上に知らない言葉や知識が、ここには山ほどありました。
確かに、これを読んで頭に入れれば中華ファンタジーの物語書けちゃいます。
それぐらい詳しいです。言うなれば、もう教授レベル。お金を払って聴く講義レベルの貴重な資料です。そして面白い。
だからこそ、この作者さんの書く物語が読みたいと心から思うようになりました。
完結されたとのことで寂しい気持ちもありますが、お疲れ様でしたと心から称賛したいです。そしてこの創作論本をお金を出してでも一冊の紙の資料本として喉から手が出るほど欲しい。そう願ってなりません。
白川紺子さんの『後宮の烏』を精読しながら、作者さまの幅広い蘊蓄を知ることのできる、貴重なエッセイです。
わたしも、中華ファンタジーを恥ずかしいですが、時々、書いております。そんなときに、もっとも困るのが、時代背景に関する、さまざまな小物や衣装から役職。これなくて、中華の面白みと世界観に浸るのが難しい。
著者さまは言います。
「小説を書くことにおいて、ストーリーと文章と語彙は、三位一体です。」
まさにその通りで、語録を知らなければ、書くことはできません。現代物と違い、中華社会は馴染みがないだけに難しい言葉も多く、どう使っていいかもわかりません。
例えば、まずは登場人物の身分。
皇后、妃嬪。彼女たちの序列は? 主人公はどのあたりの序列からはじまるの。
ドアマットヒロインなら下級女官?
高貴な姫なら、どの身分。そんな疑問を感じたとき、お読みください。
「白川紺子さんの『後宮の烏』では、ヒロインの烏妃に仕えて身の回りの世話をする老女に、官婢という言葉を使っていました。」だそうです。
「下女・下働き・奴婢・官婢・婢女・端女。言葉はいろいろありますが、下女より婢女のほうが、中華風らしい感じがしてきます。」と、喝破します。
エッセイでは、書くことで悩む読者に、痛快に回答を教えてくださいます。
非常に興味深いエッセイであり、今回、著者さまはこのエッセイを全面的に書き換えてくださり、さらに読みやすく面白い作品になっております。
ぜひ、お読みください。中華ファンタジーを書く上で最高の指導書のひとつだと私は思っています。
アニメを観つつ、こちらを拝読してます。
一年くらい前から中華ファンタジーにハマってます。
それで『後宮の烏』も気になっていて、アニメを観始めました。
とはいえ、如何せん後宮ものの物語をあまり知らないので、分からないことが多く、こちらを参考にしながら観進めています。
知らなかった後宮のあれこれが知れて、アニメを観ていない人でも楽しめる内容です。
お茶を煮だす話が特に興味深かったです。
私が好きな中華ファンタジーでも、お茶を飲むシーンがあって、何か日本のお茶の作法とは違うなって思ってたんですが、謎が解けました(笑)
wikiによると「後宮の烏」は中華風の世界観を舞台に、
後宮の奥深くに住む「烏妃」と呼ばれる特別な妃と、
噂を頼って彼女の元を訪れた皇帝を中心に描くファンタジー小説となっている。
白川紺子さまの描いた中華ファンタジーは
主に古代中国、唐王朝をモデルにした架空の中華幻想譚。
明千香さまは「史記」や「三国志」を趣味で学ばれていて
ご自身でも中華ファンタジー小説を執筆中です。
その苦労も交えながら紺子さまの使う古代中国特殊用語をピックアップして
明千香さま目線で丁寧にわかりやすく解説してくれるので
もう一度、「後宮の烏」を読み返すと、作り込んだ物語だと再発見しました。
中華ファンタジーがさらに楽しく読めるエッセイです!