第55話 エピローグ 〜因果は巡る〜
僕と姉さん、美月と結婚しその年に子供も生まれた。
名前は
僕と姉さんから一文字づつ取って命名した。
どうやら結婚する前に妊娠は分かっていたらしいが、僕がまた考えすぎないようにと配慮して、そのことは結婚後に伝えられた。
まあ、何となく兆候から分かっていたけど、きっと姉さんは、僕が相談した父親になる不安を考慮してくれたんだろう。
本当に苦労をかけてばかりだ。
それから、無事に子供が生まれてからの僕は、心配したよりもしっかりと父親ができていた。
姉さん……もとい妻の美月の言う通り、ただの杞憂だったことを証明できたと思う。
ただ子供が少しマザコン気味になったのは遺伝なのか、美月が甘いせいかは分からないけど……。
まあ、それでも息子は僕のように歪むことなく真っ直ぐ育ってくれて。
おかげで三人で支え合いながら幸せに歩んで行けた。
そうして、あっという間に高校生になった息子は、顔立ちが美月に似たおかげか女子とも見て取れる美少年に育っていた。
おまけに美月曰く隔世遺伝らしい色素の薄さが、それに輪をかけ何とも言えない雰囲気を醸し出していた。
どうやら学校でもモテるらしく、それを本人が告白されるたびに報告してくれるので、嘘ではないのだろう。
そんな息子を、美月は甘やかし可愛がってはいる。ただ未だに一番甘いのは僕に対してだろう。
まあ、息子の前でイチャイチャを見せつけるのはどうかと思うので見えるところでは自重しているけど。
そんな告白されるたび女子に対し興味なさげに報告していた貴月が、珍しくテンション高めで報告してきた。
どうやら海外から留学生が来たらしいく、親しくなったと。
その後も貴月は留学生の子の話を楽しそうにはなすようになり。どうやらよほど気が合うのか今度家に連れて来て紹介したいとまで言い出した。
僕としては、海外という物理的な問題もあるが、健全なお付き合いなら反対する理由はなくオーケーを出した。
美月はどこか渋っていたが、その時は息子を取られると感じる、母親によく見られる反応だろうと楽観視していた。
そうして貴月に紹介されたユウナ・フェブルさんは母親が日本人らしく、長い黒髪に白いワンピースがとてもよく似合っていて。
でもなにより驚いたのが若い頃の姉さんとどこか似ていて、それ以上にどことなく
そして、とうやら衝撃を受けたのは僕以上に美月だったらしく、挨拶も早々に気分が悪いと寝室に引き籠もってしまった。
そんな顔合わせにも関わらずユウナさんは本当によくできた娘で、美月の事も心配しつつ色々と話をしてくれ感じのいい娘だった。
僕は冗談半分に貴月との馴れ初めを訪ねてみると、即答で「ずっと探していた人に出会えた気がしたから」と、透き通るようなほど綺麗な笑顔で答えた。
そんな彼女を見ていると、ふと
「またね」と……。
僕は生まれ変わりなんて信じていない。
けれど改めてユウナという娘を見れば、貴月を見つめるその眼差しが、昔僕を見ていた
[完]
―――――――――――――――――――――
〜あとがき〜
ここまで読んで頂いた読者の方にまずは感謝を捧げます。
誤字も多く読み回しも微妙な所が多い中で、辛抱して読んでくれる読者様の温かさで完了まで至ることが出来ました。
今回の結末は最初から想定していたものですがそこに至るまでが……色々と大変でした。
大部分は自身の実力不足でして、もっと話を広げれた所もあれば無駄な所もあったかなと。
最後も駆け足気味になってしまったのは否めません。
ただ、読んでくれて更新を待ってくれている人が少しでも居る以上、なんとか想定していた完結までは持っていきたかったので頑張ってみました。
おそらくこの結末、ひいては話自体にも賛否両論あると思います。
読者の皆様にも御意見が色々とあると思いますので宜しければお聞かせ下さい。
コメントの内容は何とか受け止めて今後の糧に出来ればと…………お手柔らかに願います(弱気)。
というかスッキリとした締め方は、特にこういったジャンルだと難しいですね。
本当に上手く纏められている作家さん達には敬意を表します。
今後は『恋愛ゲームの……』の方、一応こちらも結末は想定しているので、そこに向かいつつ完結させ、合わせて新作も続けていけたらと思います。
よろしければ、今後もわたくしの作品を読んで頂き、ご贔屓にして頂ければ嬉しいです。
それでは改めまして、
ご一読頂き本当にありがとう御座いました。
堕ちたカノ女 〜別れた後の僕と幼馴染と姉の顚末〜【完結済】 コアラvsラッコ @beeline-3taro
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