第10話 帰還

「なんだなんだ?」「リゾット様勇者じゃないの?」「俺達を騙していたのか?」


冒険者達はまたざわつき始め、ゲルディは冒険者達に向かい話し始める


「勇ましき者は怯えぬ、リゾットは偽勇者だ。因みにゼネフルの地は荒れ果てた。暫くは人界の貴様らにくれてやろう。ドラパールの老いぼれ共に朗報を入れるがよい。」


 冒険者達は複雑な心境でゲルディを見る、それもその筈、悪の根源魔王ゲルディに手柄を貰ったのだから。


「しかし、ハーピーのデュエル生捕りは認めぬ。以上だ。デュエル、迎えに来た。1時間後にワシの大魔王式典が始まる。参加してくれるか?」


 冒険者及びリゾットは「え?」っという顔をする。それもその筈。皆はハーピーは爆発に巻き込まれたと思っているのだから。


「んもぅ、ゼネフルがこんなになったのも、あたしが捕われ役になったのも、全てゲルディ様のせいなんだからね!」


 デュエル?いや、違う。シムキーナだ、シムキーナはやがて姿が徐々に変わっていく。羽が生え始め、独特な角が頭に伸び始める。泣き虫シムキーナは仮の姿、ハーピーデュエルに変わった。

 この姿には流石に冒険者達、リゾットまで口がアングリ。暫く空いた口が塞がらなかった。


「クックック、モノマネの特技は相変わらず美しい。」


「ゲルディ様、そんなのお世辞にもなりませんわよ!?」


 デュエルは羽を広げ、少し羽ばたき上へ。

そのままリゾットに向けてブレスを吐いた。


「ぬぉおおおおおお!」


「あたしを殺そうとした罰と、馬を殺した罰よ!せいぜい火傷を負ってなさい!」


 ほぼ不意打ちだった。それを見た魔王軍、冒険者達、そしてゲルディは心の底で恐怖を覚えた。


「あ・・あねさん、帰ろう。魔王城に。」


スドムは四つん這いになり、背中に乗る様誘導する。


「そうね、帰ろっか♪」


こうして魔王軍はゼネフルから立ち去る。


このゼネフル攻防のお話はほんの一部でしかない。







むむ!コウモリモンキーは??


またの機会にどうなったのかお話しよう。



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1万文字小説 正義が勝つとは限らない〜ゼネフル攻防戦〜 織田 福之助 @ovaihan8900

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