第3話 わきなめ。
「ね、他のとこも舐めたいー」ころは私の腕をとり、おねだりしてくる。むにゅ、と薄布越しのおっぱいの感触が腕に伝わる。ぺったんこな私は彼女の大きい胸ががちょっとうらやましい。
「どこ舐めたいのさ」私はたずねる。
「もっと汗かいてるとこ」
「それなら……わき、とか?」
「じゃ、そこなめるー」
「えー、暑くなるからなー」腕を舐められたときも温かく感じたから、脇を舐められたもっと温まりそうだ。
「あ、ならこうする」ころはクーラーボックスから氷を一つ、取り出し口に放り込んだ。ころころと、口の中で転がしながら「こうすれば冷たくなるよ」と舌を出した。
「なるほど……じゃあまあ、いいよ」と私は腕を上げて脇の下を見せる。
「つるつるだね」ところは脇を見つめてそんな感想を漏らす。
「ちゃんとお手入れしてるからね。あんまり毛が生えないってのもあるけど」
顔を近づけてすんすん、ところは匂いを嗅ぐ。
「くさいでしょ」少し恥ずかしい。
「くさくはない」と言いつつ、くわっ……ところの眉間にはシワがよっている。
「うそこけ」私はほっぺをつまむ。
「くさいというより、くせになる匂い……もっとかぎたい」また彼女はくんくんと匂いを嗅ぐ。「うーん、くちゃい」となぜか笑みを見せる。眉間にシワを寄せながら。
「くさい言うてるやん。もしかして……ころって変態……?」もしかしなくても汗を舐めたがる時点で変態だろうけど。
「そうかも……。じゃいだだきまーす」ぺ、と舌を出して脇に口を近づける。
「うん、そこなめられるのはじめてだから、やさしく……してね」私は少し顔を赤らめる。
ぺろりん。その舌の感触は腕より遥かにくすぐったい。そして氷のせいでヒヤリン、と感じる。
「んっ、ふう」私は変な声が漏れてしまう。背筋もぞくぞくする。
「んー」ころは舌を口に戻し、テイスティングしている。
「どっ、どう……?」
「濃い」と彼女は答える。
「濃いって……」
「んー豚骨ラーメンで言うと、味濃いめ的な感じ?」
「あーなるほど? って私は豚……ってコト!?」
「あ、じゃあ人骨ラーメン」
「それはそれでサイコみあふれてやだな……」
「もっとなめてい……」ころがいいかけたのを遮って「だめ、気持ち良くて声出ちゃうから」私は言う。こんな明るいうちからメスになりたくない。
「ふーん、そっかぁ」そう言いながらころは私の腰に手をまわし、私が逃げられないように抱きしめた。その表情はにんまりと小悪魔じみていた。
「えっ、だからだめだって……」そう私が言いかけてる途中で突然、脇に舌を這わせはじめる。ぺろぺろぺろ。
「あっ、やっ……そんな激しくしないでっ……あっ、あんっ……」メス声が思わず出てしまう。
その声を聞いてか、さらに彼女の舌使いは激しくなる。それはもう、ぺちゃぺちゃといやらしい音が出るほどには。
「んっふふんっ! うりんっ! いっ、ぬがっ、みっ!」ころにねぶられまくって自分でも何を言ってるかわからない。
そして突然、激しいのがゆっくりになる。下から上へ、ゆっくり、そろそろと舐め上げられる。「はぁぁぁ〜。もっ、とっ……にゃあ……んにゃぁ……」ネコのような喘ぎ声を私は出しまくった。
脇まん……脇の中をぐちゃぐちゃにされまくった。
数分ぐらい、なめられていただろうか。やっと、やっところが舌を脇から離してくれた。
「ごちそうさま〜♡ 可愛かったよ……」にこにこと笑顔てころは伝えてくる。抱きついたまま。
脇の汗は全て舐め取られ、代わりにころの唾液でぬちょぬちょになってしまっていた。
「ころのばかぁ……やめてっていったのに」私は目に涙を浮かべる。身体が余韻でびくん、びくんと軽くけいれんを続けていた。
「……ほんとにいやなら腕、さげればよかったのに」ぽそり、と正論を言われる。
「う……あ、その……いやがってるのを無理やりされるのもよくって……」私は照れる。
「ふふふ、正直だねー。そういうとこも好き……」ころはまた蕩けた表情で私を見つめてくる。そんな瞳で見つめられると、私も蕩けてしまいそうだ……。
「こ、ころに隠し事したくないし。汗やば……飲み物とって」私が頼むと、ころはクーラーボックスからペットボトルの麦茶を取り出し、飲ませてくれる。
「脇汗、とってもおいしかった〜♡」ところは耳元でささやいてくる。その言葉でぞくそくっと体が熱くなり、お腹がうずく。
ぎゅ。無意識に私はころを抱きしめ返していた。
なめゆり。〜真夏の暑い日、汗を舐め合う〜 金魚屋萌萌(紫音 萌) @tixyoroyamoe
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