どんなキッカケからでも物語は始まる。そう、たった一匹の蚊からでも。

夏に向かって順調に気温が上がって行っている今日この頃ですね。
何を隠そう、このわたくし、夏になると毎年モテモテなんです。

蚊に。

血を吸う蚊はすべてメスですからね。種族こそ違えど異性にモテている事には変わりありません。私は、蚊に、モテます。血ぃ、ちゅーちゅー吸われてます。

蚊のオスは花の蜜や樹液を吸ったりしているだとかで、ニンゲンに殺されるリスクはメスに丸投げして平和に暮らしているらしいですね。性差に端を発した役割分担は蚊にさえあるのですから、行き過ぎた男女平等を叫ぶよりも、互いにリスペクトしあって適材適所でそれぞれが充実した毎日を過ごせばよいのにな、なんて事も思います。また、ヒモ的な生活に憧れる事もない事はないですが、パートナーに嫌われないよう、好きでい続けてもらえるよう、といった努力にのみ注力し続けるヒモ生活というのも中々にヒリつく人生のように思います。ヒモとして生きていりゃオスの蚊に憧れたりもするのでしょうかね。

さて、この【蚊。】という作品。

蚊にやられた不快な経験の数々は、それが痒みにせよ入眠の邪魔にせよ、それらは人間にとっての生理的な嫌悪の対象となりますし、それらは何と言いますか、根源的な不快であるせいで、【蚊という概念を思った時に、それをキッカケに人は思索をとめどなく始めてしまう】という事があるのかも知れません。

蚊というキッカケで展開していくこの物語は、私にそんな哲学を与えてくれました。大げさですね、すみません。

でも、些細なキッカケで生まれるのが文学、文芸でありましょう。
私はこういう作品が好きなんです。

オススメします。是非、ご一読くださいませ。