かっこいい。しかし不思議な読後感。

こんな主人公アリなのか??
めちゃくちゃカッコいい。ただ、普通のかっこよさではない。
見た目は根暗で卑屈で猫背で短髪で。
目立つようなキラキラの大技もない。
必殺技だってない。
よくあるハーレムモノでもない。
読み進めてると「最弱職が実は最強」系のやつだと思った。
違った。
見事に、いい意味で裏切られた。

主人公の心理描写に思わず引っ張られてしまう。
明るい描写にひとついつまでも消えない黒いシミを残す文章が「早く次を」とページを捲らせる。
コミカライズも最初の方は読者コメントが辛口だったが、回を追うごとに「早く続きを」と求める声に変わった。

スッキリとした読後感はないかもしれない。
スカッともしないかもしれない。
主人公の彼と一緒に読者も気持ちよく闇へ沈んでいくような、そんな作品である。