概要
こんなに愛しているのに、決して私のものにはならない人。
「私、束縛されたりこじれたりするのが嫌だから、決まった恋人って作りたくないの。だからひとりに絞らずに常に何人かの女の子とデートして関係を持ってる。どう、会社でのあなたが尊敬する私と全然違うでしょ?」
早紀さんは私が憧れていたようなただの仕事ができる冷静な先輩ではなかった。したたかで、女の扱いに慣れ、相手に困らない女だった。私の手に負える女性ではない。近づけたとしてもきっと私はこの人に振り回される。このバー限りでいい思い出にしたほうがいい。
わかっている、それでも――私は彼女に近づきたかった。おそらくこの時、早紀さんへの思いは「憧れ」から「恋」へとはっきりと変化したのだろう。
私は会社の先輩、早紀さんに長いこと憧れていたが、彼女の転職を機に思い切って飲みに誘う。そこで言われた衝撃的な言
早紀さんは私が憧れていたようなただの仕事ができる冷静な先輩ではなかった。したたかで、女の扱いに慣れ、相手に困らない女だった。私の手に負える女性ではない。近づけたとしてもきっと私はこの人に振り回される。このバー限りでいい思い出にしたほうがいい。
わかっている、それでも――私は彼女に近づきたかった。おそらくこの時、早紀さんへの思いは「憧れ」から「恋」へとはっきりと変化したのだろう。
私は会社の先輩、早紀さんに長いこと憧れていたが、彼女の転職を機に思い切って飲みに誘う。そこで言われた衝撃的な言
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ホウセンカが弾けたような、真白さんが愛おしい
作者様が紹介してくださった、「ベル・エポック」も併せて読みました。
冒頭、書き出し一文を読み、「へ?あ・・」「ぶふっっ」吹き出してしまいました。絶品の一文です。こちらは、商業誌ですから、当然のごとく代価を払っての読書。「ベル・エポック」の書き出し一文は、その代価を払っても十分すぎるほどの満足感を得るものでした。
「私の手も声も」は、真白さん視点で書かれた作品ですが、二年の歳月を超えて、とうとう真白さんが本音を早紀さんに吐露する場面が実にイイ!好きです。
溜まりに溜まった自分の感情を好きな人にぶつけるシーンを読んだ時、ホウセンカが弾けた、そう感じたのです。
おおきた様の作品には、普通のど…続きを読む