追放されたんだがwww


「それでぇ?エリスとは誰だなんだぁ?」


 地球は嫌味たっぷりに質問する。


「太陽系の護衛を務める準惑星です」


「なんで、そんなと会ってたんだよ」


「ちょっと、銀河の様子を聞いていただけです」


 というのはもちろん建前だ。


 真実はエリスちゃんを口説き落そうとしていたのだ。彼女は随分とクールな性格表面温度42Kで中々口を開いてくれなかった。それが先日、ようやく口を聞いてくれるようになったのだ。


 例の映像は、おしゃべりに舞い上がっていたところを撮られてしまったらしい。


「こんなに燥いで銀河の様子を聞いてただけか?」


「……そうだ」


「太陽さん、いまのを聞いてどうしますか?」


「考えは変わらない。任務中に他惑星を口説くとはけしからん。——冥王星を太陽系から外す」


     *


「……クソッ!」


 軌道に帰ると悪態を吐くしかやることが無かった。


「どうしたの?」


 振り返ればいつの間にかエリスがいた。


「え、えっ、エリスちゃん!?いつの間に!?」


「さっき来たところ。太陽さんに呼ばれたって聞いたから不安になったの。何があったの?」


「……いや、なんでもない。キミには関係の無いことだよ」


「そんなことないわ。私にも話してよ」


「……わかった。実はね、太陽系から外れることになったんだ」


「そんな!どうして!?」


 それは「キミのせいだ」なんて口が裂けても言えるはずがない。


「…………太陽さんからの距離が遠いからだってさ」


 ぽっと出た理由で誤魔化すことにした。


「それもそうだよね。次に近い天王星さんだって時期によっては倍の距離はあるからね」


「そんな、可哀そうに……」


 今はエリスちゃんからの同情が何よりも心に染みた。


 それからしばらく何もしゃべらなかった。やり場のない気持ちと悔しい気持ちがぐちゃぐちゃに混ざって、怒りとも違う名状しがたき感情を整理しようと精一杯だった。


「……ねぇ、冥王星」


 数万年が過ぎた頃。突然、エリスちゃんが口を開いた。


「太陽系に向けて超新星爆発復讐しましょうよ」



——バーン!


 

~完~

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太陽系から追放された冥王星、神様の力で超質量を持つ~今更戻って来いと言われても軌道に乗ってやらないから~ 四志・零御・フォーファウンド @lalvandad123

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