純粋な願いは、いつだって、誰かの何かを変えられる小さな奇跡。

未来からの警告が過去に干渉する、時間SFの三部作です。
それぞれ手紙、声、不思議なカメラと、趣向を凝らされていて読者を惹き込んでくれます。
そして登場人物の誰もが、特別な存在ではなく、精一杯のひたむきさで運命を変えていく……その姿が、繊細な情景描写と共に書かれます。

もしも自分なら、どれが対応しやすいかなー、なんて楽しみ方もできますね。
心の汚れた私などは、手紙→イタズラ、声→疲れてるんだな、写真→見なかったことにしよう、と、せっかくの救いの手をムダにするだけのような気がします……。