信仰 (フローネ視点)
(フローネ視点)
……はぁ。
やってしまいました。
ロドリー会いたさに貴重な転移石を使用して、懐かしのクル村に帰ってきた私はロドリーの家の前で立ち尽くしていました…。
あ、ちゃんと用事はありますよ、まあ…わざわざ直接こなくても念話があればこと足りるのですが…。
幸いロドリーの家には明かりがついていて、彼が無事に戻っていたことに安堵しました……ロドリーも一つは所持していた筈ですが、何故か馬車でゆっくり帰っているのを彼に付けた追跡魔法で知った時は、心配で夜も全く眠れなくて、朝のお祈りも出来ませんでした。
いえ、そもそも私は今まで”お祈り”なんて真面にしたことはありません、父が神父で私のスキルが『慈愛の癒し手』というだけで教会から聖女なんて呼ばれていますが、私はロドリーをまるで無能のように評価をする教会もその信者も好きではありません。
まぁ、こんなことを父に知られたら卒倒するでしょうね……少なくとも皆の前では敬遠な信徒を演じ続けてきましたから。
教会の力をうまく利用できれば『アルストロメリア』の役に立つと思ったのですが…正直しがらみの方が大きいのが困りものです、特に
…おっと、こんなことをしてる場合じゃありません、折角ここに戻ってきたのです、早くロドリーに会わなくては…。
「はいはいどちら様?」
ドアをノックすると直ぐにロドリーがドアを開けて顔をだしました。
「お久しぶりですロドリー」
まあ、実際には一週間ほどしかたっていませんが充分でしょう…。
「…え、あれ? フローネ…なんで?」
「貴方に会いにきたんです。」
「…えと、…まさか転移石を使った?」
「はい…貴方にどうしても伝えたいことがあって。」
「ごめん、まだ帰ってきたばかりで全然掃除も終わってないんだけど、取り敢えず上がって。」
「はい、ふふ…ロドリーのお家にお邪魔するのは久しぶりですね。」
――――――
「ロドリー……先ずはあの時、貴方を追い出してしまったこと…大変申し訳ありませんでした。」
お家に入ってすぐ私はロドリーに頭を下げて謝罪しました。 …いくらロドリーの為だったといっても何の相談もせず追い出したのは紛れもない事実、この程度のことで許されるはずもありませんが…やはり先ずは謝罪からでしょう。
「いや、大丈夫だよ…確かに寂しかったけど、皆が俺の為を思ってクル村に帰るよう言ってくれたのはわかってるから。」
そう言って椅子に座るよう促されました。
あぁ…やはりロドリーは優しい…あのような愚かな行いをした私達をこんなにあっさり許してくれるなんて。
「それで…俺に伝えたいことって?」
「ええ、報告は二つ、一つは……――」
―――――――
全然更新しなくてすいません。
勇者パーティーを追放された俺は、俺を追放した勇者パーティーが心配でしょうがない @enji2815
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