リクルートスーツの死神
地上10階のビルの屋上の先に浮かぶ、スカートタイプのリクルートスーツを着て大鎌を突き付けてくる女を前にして、事態を冷静に把握できる奴がいるだろうか。いや、居るまい。
「あの、アンタ……何?」
訳の分からない状況を前にして、俺は目の前の女に訊いた。
「ああ、これは失礼いたしました」
女は大鎌を小脇に抱えて、反対側の肩にかけた鞄を漁った。
「私は、こういう者です」
宙に浮いたままそう言うと、銀色のケースから名刺を取って俺に差し出す。
「霊界中央大学死神学部3年、研修生No.773……?」
「No.773だと呼びにくいかと思いますので、お気軽に『ナナミ』とお呼び下さい」
「いや、そうじゃなくて! なんでアンタそんなとこに浮いてんの!? 死神って何!?」
にっこり笑う研修生No.773――便宜上ナナミさんと呼ぶことにするが――に対して俺が聞きたかったのは、相手の所属でも名前でもなく、死神とはどういうことだ、という部分である。
「死神とは、死を司る者のことです。ざっくり言うとこの世の者ではないので、重力の影響を無視できます。まあ、死神とは言っても、まだ研修中なので一人でお迎えに行ったことはないのですが」
肩をすくめて苦笑したナナミさんは、ふわりと屋上に着地した。
「え、何、アンタ、本当に死神なわけ!?」
目の前でこうも普通の人間に出来ないことを披露されてしまっては、その非現実な肩書を信じるしかない。
「はい、先程からそう申し上げていますが、聞き取れなかったでしょうか? 申し訳ありません」
ナナミさんは恐縮そうにして、綺麗な角度で頭を下げた。
「さて、本日は、加藤さんにBD訪問をさせていただきに参りました」
「BD訪問って何!?」
こちらの戸惑いを余所に、顔を上げたナナミさんが謎のワードを出して淡々と話を進めるので、思わず突っ込みを入れた。
「
「ちょっとOB訪問と似てるな? というか、なんで、死ぬ前の奴の話を聞きに来るわけ?」
思ったよりも、卒業生に仕事の話を聞くOB訪問と似通った訪問だった。
しかし、死ぬ前の話を聞くことが何の役に立つのだろう。
「はい、私は、死神業の中でも自殺業界を志しておりまして――」
「自殺業界って何!?」
面接の質疑応答のように答え始めたナナミさんの言葉を途中で遮って尋ねた。
「はい、死神にも色々と担当がありまして、病死、老衰などの自然死、突発的な事故や災害、殺人などによる突然死、15歳までの子供の死を扱う小児科など、死因によって業界が分かれています。その中でも、私は自殺を扱う死神を志しているのです」
簡潔で分かり易い受け答えだ。死神にも色々な業界があるらしい。
「はあ、それで、自殺しようとしてた俺の所に?」
「はい。自殺される方のお話を聞いて、今後の死神業の参考にしたいと思いまして」
「マジでOB訪問っぽいな……」
こっちの感想に一つ笑みを返して、ナナミさんは姿勢を正す。
「それではまず、死亡動機をお聞かせ下さい」
そして、先程も言ったフレーズを繰り返した。
「それ、さっきも言ってたけどさ、たぶん『志して望む』方の『志望』動機じゃないよな?」
「はい、『死んで亡くなる』方の『死亡』動機です」
こんなに明るいトーンで『死んで亡くなる』という言葉を聞いたのは初めてだ。
自殺しようとしたのに、無駄に面接の模範的な回答態度で質問してくる死神の研修生にインタビューされるなんて、俺は一体どういう目に遭っているのだろう。
「分かった。いや、状況はよく分からんけど、アンタの言い分は分かった。もう色々どうでもいいし、最後くらいこの訳の分からん状況に付き合ってやるよ」
こうなったらヤケだ。はあ、と一つ盛大に溜息を吐いてからナナミさんに言った。
「ありがとうございます。大変助かります」
目をキラキラさせてナナミさんは答える。
「ええと、死亡動機だっけ? 動機って程のものでもないけどさ、なんかもう生きてるのとか色々とどうでもよくなったんだよ。俺の居場所なんてどこにもない。なら、生きてようと死んでようと同じことだろ。だから死のうと思った」
繰り返される自己分析、企業研究、エントリーシートや履歴書作成、筆記試験、面接――どれだけ繰り返しても俺が採用されることはない。
俺はどこにも必要とされていないと、自分を否定されているようで、辛かった。
感傷交じりに自嘲して答えれば、ナナミさんは一つ頷いた。
「では、そうなるまでの経緯を、具体例を交えてお教え下さい」
淡々とした面接官っぽい質問で、こちらの感傷など華麗にスルーされ、ヤケに拍車がかかる。
「その手の質問マジでトラウマもんなのに……! 原因は就活です! 現状80社受けて一つも内定がもらえていません! 不採用通知のお祈りメールの山に自分の人間性を全否定されたようで、自分の居場所などどこにもないように感じ、いっそ死んでしまおうと思いました! これで満足か!?」
叫ぶようにして答えれば、ナナミさんはいつの間にか取り出していた黒い手帳に興味深そうにメモを取りながら聞いていた。
「就活による自己否定感、っと……最近増えつつあるパターンですね。参考になります」
「人が死のうとしている理由を『よくあるパターン』で括るなよ!」
コイツの通う大学には職業倫理の授業はないのだろうか。
「あ、申し訳ありません。近年、増えた事例で、自殺業界の試験や面接でもよく取りあげられる問題なもので、つい」
ナナミさんは恐縮そうに答えた。
「何だそれ、死神にも就活があるのか?」
ナナミさんも就活をしているのかと思うと、少し親近感がわく。
「現世のもの程ではありませんが、あるにはあります。人気の高い業界は特に」
「自殺業界って人気が高いのか?」
先程ナナミさんが志望していた業界のことを思い出して聞けば、ナナミさんは頷いた。
「はい。病気や老衰などと違い、自殺は寿命をまっとうしない死に方なので、扱いが難しく、限られた者しか就くことができません。そのため、かなりの名誉な地位とされています」
「自殺のお迎えが名誉って、迎えられる方としては複雑だな……」
ナナミさんの言うことの理屈は分からなくもないが、これから自殺しようという身としてはあまり知りたくない業界事情だった。
「今回の加藤さんの自殺は突発的なものだったので、担当者が来るまでの間、近くにいた私がこうしてBD訪問させていただいてます」
「え!? 何、アンタ繋ぎなの!?」
てっきりナナミさんがお迎えに来たものだと思っていたので、思いっきり聞き返してしまった。
「はい。まだ研修生なので、命の扱いは一人ではできません。学生課からお知らせが来たのでやってきました。たまたま近くにいて時間が空いていたので」
「何その試験監督の臨時バイトみたいな来かた!? せっかく思い出したくもない就活のトラウマを話したのに繋ぎの研修生とか、やってらんねぇよマジで……」
肩を落として脱力する。
「あ、今までに臨死体験はありますか?」
脱力するこちらの気持ちをものともせず、不意に思い付いたようにナナミさんが聞いてきた。
「何そのバイト経験の有無みたいなノリの聞き方!? ってか今『臨時バイト』って言葉聞いて思い出しただろ!?」
「あ、ないですか?」
「ねぇよ! そしてスルーすんな!」
こちらの怒濤のツッコミもどこ吹く風で、ナナミさんは淡々とメモを取っている。
「すみません、あまり時間がなくて、出来るだけ色々聞きたいもので。それでは、死ぬために一番力を入れたことは何ですか?」
「『学生時代に一番力入れたこと』みたいに聞くな! ねぇよそんなもん!」
逆に聞きたいが『死ぬために一番力を入れること』ってどんなことだ。身辺整理とかか?
「本当に突発的な自殺衝動というわけですね。なるほど。では、死後PRをお願いします」
「死後PRって何!? 自己PRじゃなくて!?」
謎のワードの連続にぼちぼちツッコミ疲れてきた。
「宗教観や死後の在り方、来世の希望などを語って頂ければ大丈夫です」
ナナミさんに言われて、腕組みして考える。
「そんなことも聞かれるのか……宗教とかは特にねぇけど、一応、実家は浄土真宗だったはずだ。死後は、地獄は嫌だなあ。来世は、もっとまともな人間に生まれたい」
20社くらいで就活が終わるような、ちゃんとした人間に生まれたいものだ。
「仏教で来世観アリ、っと。地獄行きかどうかは死んでからの判決になるので、私の方から何とも言えませんが」
「じゃあ聞くなよ!」
「では、次の質問です」
こっちの全力のツッコミをまるで無視してナナミさんは言った。
「なぜ投身自殺を選んだのですか? その中でもこのビルを選んだのは何故ですか?」
「もうやだコイツ……話聞いてくれないし、志望業界とその中で弊社を選んだ理由みたいな聞き方するし……」
小声で言って頭を抱える。
BD訪問に付き合うとは言ったから自己責任ではあるが、こういうのを踏んだり蹴ったりと言うのだろうか。
「何かおっしゃいましたか?」
「なんでもねえよ」
きょとんとして聞き返されるので、説明するのも億劫で首を横に振った。
「投身自殺なら即死だろ? たまたま通りかかって、ここが近所で一番高かったし、廃ビルなら周りへの迷惑が少なくて済むだろうと思って」
俺は理由を説明した。
「いえ、そうとも限りません」
「え?」
ナナミさんのきっぱりした返答に聞き返す。
「このビルは、せいぜい10階建てですし、途中に張り出したテラスの屋根があり、そこにぶつかって衝撃が和らげられる可能性が大きいです。さらにこの下はコンクリートではなく基礎工事のために掘り返した土で柔らかく、即死の確率はせいぜい6割です」
「マジで?」
思ったより低い即死の割合に驚いた。
「残りの4割のうち、2割が落下から1年以上後の死亡、2割は死ねません」
「何その3年以内の離職率みたいな数字……」
安易に投身自殺なら即死だと思っていたが、考え方が甘かったようだ。
「では、死に方を変更なさいますか?」
「総合職から一般職への変更みたいに聞くな! 変えねーよ、8割死ねるんだろ!?」
あっさり聞いてくるナナミさんに、俺は言い返す。
「それはそうですが、廃ビルだからといって周りへの迷惑が少ないとも一概には言えません」
「そうなのか?」
気がかりな情報が出てきて思わず尋ねる。
「はい、このビルは今ちょうど買い手がつくかどうかの瀬戸際なのです。自殺があったとなれば、その話がなくなり、現在ここを管理しているかなりの赤字の不動産屋が首を括ることになりそうです」
「俺の自殺に不動産屋の生死もかかってるわけ!?」
またとんでもない情報を聞いてしまった。
「私としては、またBD訪問が出来るのでどちらでも構わないのですが」
「仮にも希望業界の話なのにそんなノリでいいのか!?」
当事者以外の生死もかかっているというのに、あっさりと言い切るナナミさんへ突っ込む。
「希望業界の話だからこそ、色々なケースを聞いておきたいんですよ。自殺と不動産の問題は昔からの課題ですからねえ」
心底、聞きたそうな顔でナナミさんは言った。
「何、聞きたそうな顔してんだよ、死人を増やしちゃダメだろ倫理的に! さっきから思ってたけどさ、アンタ自殺止める気ねぇの!?」
「ありません。研修生にそのような権限はありませんので」
思いっきり叫んで問えば、淡々と即答で返って来る。
「そういう問題か!?」
「いえ、私も志望業界の内定は欲しいですから、なりふり構っていられないんですよ」
「しかもすげぇ個人的な理由じゃねえか!」
驚くほど自己中心的な理由で、頭が痛くなってきた。
「あなただって、そうだったでしょう? なりふり構わず必死でやって、全力で取り組んで、それなのに失敗して――だからこうして、死にたいほど絶望している」
ナナミさんは俺の目を真っ直ぐ見つめて、真顔で俺に問いかける。
「まあ、それはそうだけど……」
ナナミさんに言われて、俺は俯いた。
母が弟を生んですぐに死んだため、父は男手一つで俺達兄弟を育ててくれた。
工務店の自営で決して裕福ではない中、なんとか俺が浪人中の予備校の料金と、その後の大学の学費を捻り出してくれた。
だから俺は、高2の弟の将来の学費のためにも、いい会社に就職して、家に金を入れたいのだ。
俺が迷惑を掛けた分、稼いでいきたくて、必死で就活をしている。
「私も同じなんです。志望職種に就きたいので――そのためには寧ろ加藤さんには飛び降りていただいた方が都合がいいというか」
こっちの思いをガン無視でナナミさんは言った。
「いい話が来るかと思ったら身も蓋もねえな!?」
誰かコイツにオブラートの包み方ってものを教えてやらなかったのか。
「だって、あなたが亡くなっても私は何一つ困りません」
「その通りだけどさすがに酷いだろ!」
心底、当り前のように言われて、こいつの口の中に今すぐオブラートを突っ込みたくなる。
「世の中そんなものですよ。あなたもぐだぐだ言わずにそうすればいじゃないですか」
ナナミさんは、さも当然のことのように言った。
「え?」
「自殺のせいでビルが売れなくて不動産屋が首を括ろうが、即死出来ずに膨大な治療費で1年以上家計を圧迫して家族に迷惑をかけようが、死んでしまえば関係ないじゃないですか」
何故そうしないのか不思議そうに問われ、これが死神と人間の価値観の違いかと思う。
「いや、なまじそんな話聞いたら逆に気が引けると言うか……」
「しかし、『生きていたって居場所がない』のでしょう?」
歯切れ悪く答えれば、俺の死亡動機を引き合いに出してナナミさんは重ねて訊ねた。
「いや、それは……」
ナナミさんの言った『居場所がない』という言葉に口ごもる。
父は、就活が上手くいかない俺に、焦らなくていいと言ってくれた。
弟は、俺が浪人して学費を食ったせいで、元は有名私大志望だったのにお金のことを気にして国公立大を受けると言っている健気な奴だ。
だから俺は、なんとしてもいい会社に就職したかったのだ。
家にお金を入れるため、父の負担を減らし、弟を行きたい大学に行かせるため――
「……あぁ、ほんとに、馬鹿だなあ俺」
「加藤さん?」
俺がぽつりとこぼせば、ナナミさんは聞き返してきた。
「居場所、あったわ。よく考えたら」
「え、あったんですか?」
心から残念そうに聞き返されて、吹きだしてしまった。
「そんな露骨に残念そうな顔すんなよ。ええとさ、俺、家にお金入れたくていい会社に就職したかったんだよ。一浪したせいで余計に金がかかって、受験のことで弟にいらん心配させて、父さんにも負担掛けてさ……。二人とも就活が上手くいかないのを気にするなって言って、塞ぎこんでる俺を本当に心配してくれてたけど、それがいっそう申し訳なくて、自分が不甲斐なくて。それで、早く決めなきゃって焦るほど上手くいかなくて、追い詰められて……それで、居場所なんてないような気がしてた」
恵まれた家族に支えられていたのに、どうして俺はそれを忘れていたのだろう。
「つまり、家族が居場所ってことですか?」
白けた顔でメモを取るナナミさんに聞かれて、俺は若干気まずくなる。
「俺もよくある理由だと思ってるよ! そりゃ、死亡保険でもかかってたら死んだ方がいいけどさ、そんなもんかかってねえし、死んだら余計迷惑かけるだけだろ? それは……嫌なんだよ。自殺するにしても、せめて葬式代とか治療費くらいは残してから死にたい」
死ぬにしても、4割の確率で即死できないなら、先立つものの準備が必要だ。
あ、こういうのがさっき聞かれた『死ぬまでに力を入れること』か?
「あ、結局、死ぬんですね!」
今日一番の笑顔でナナミさんは言う。
「嬉しそうにすんな! 自殺するかどうかは分からん! とりあえずこのまま卒業までに就職できなくても、バイトでもしながら就活を続けるよ。自殺するにしても、迷惑かけた分をしっかり返して、葬式代と即死出来なかったときの治療費貯めてからだな」
俺が言えば、ナナミさんは苦笑してメモ帳とシャーペンを鞄にしまった。
「分かりました。残念ですが、今回はとりあえず保留、ということですね」
「ああ。なんか、参考にならなくて悪かったな」
ナナミさんもナナミさんで、就活のためにやっていたことなので、少しだけ申し訳なくて謝った。
人間の価値観的には大分酷いことを言われたので、別にそこまで罪悪感はないが。
「いえ、とんでもないです。自殺業界に入れば、やっぱり死なないというケースもよくあると聞きますし、この手の事例は初めてだったので、これはこれで参考になりました。まあ、飛び降りて頂けた方が良かったと言えば良かったのですが」
「だから、悪かったって!」
少しだけ恨めしそうに言われて、再度謝る。
「冗談ですよ。次にお会いするときは、研修生でなくお迎えの担当としてお目にかかりたいものです」
肩をすくめて笑ってから、ナナミさんは言った。
「本当は会わないのが一番いいんだろうけどな……ま、アンタも頑張れよな」
就活生同士なので、相手の健闘も祈ることにする。
「ありがとうございます。お互い頑張りましょう。それでは、元々お迎えに来る予定だった担当者の方には、こちらから連絡を入れておきますので、どうぞお帰りください」
ナナミさんは屋上のドアを手で示して言った。
「最後までなんか面接っぽいな。アンタ、死神より人事の方が向いてそうだ」
俺はその言葉も含め、これまでの言動を指して笑う。
「それ、よく言われるんですよねえ。死神派遣業の人事も視野に入れてみましょうかねぇ」
頬に片手を当てて、考えるようにナナミさんは言った。
「おう、それがいいと思う。俺も、もう少し視野広げてみるよ」
「ええ。ついでに自殺も視野に入れておいてください」
「結局それか!」
渾身のツッコミもクスリと笑われてかわされる。
「はい。それではまた、自殺する時に――」
きっちりお辞儀をしたナナミさんは、次の瞬間には煙のように消えていた。
「自殺するにしても、アンタには二度と会いたくねえよ!」
最後まで調子を崩さない言い分に、さっきまでナナミさんが居た虚空に向かって叫ぶ。
「ったく……なんか、無駄に疲れたな」
その場に座り込んで空を見上げた。
あの死神と話していたら、死ぬのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
「まあ、地道に頑張るしかねぇよな」
どこか肩の荷が下りた気持ちで呟けば、スマホがメールの着信音を鳴らす。
見れば、三次選考の結果通知期間過ぎても連絡が来ず、もう落ちたものと諦めていた会社からのメールだった。
詳しく読んだところ、内定者辞退が出た関係で追加募集がかかり、三次面接参加者に最終面接の連絡をしているらしい。
「ふ、ははっ! よっしゃ、最終面接!」
手にしたスマホごと両手を天に突き上げて、立ち上がった。
次でまた落とされるかもしれない。採用になるかどうかなんて分からない。
それでも、さっき空中に一歩踏み出していたら、このメールにも気付けなかったわけで。
「頑っ張るぞー! おー!」
――人生、そんなに捨てたものでもないらしいと、思った。
リクルートスーツの死神 佐倉島こみかん @sanagi_iganas
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