第3話

ヒナとの毎朝の集合場所であり、夕方の解散場所となっているこの無人駅。


無人駅には、小学生の頃に彼女と花を植えた。

名前も知らないその花たちは、太陽の光を浴びようと、精一杯に開いている。


「行こっ」


1時間に1本しかない電車に飛び乗り、たわいもない話をして学校に行って、勉強して、部活に行って、そしてまた一緒に帰る。


今日は何があっただとか、この教科が難しかっただとか。

毎日毎日同じような話を繰り返し、同じように笑って、同じように返事をする。


そんな日常が私は幸せで堪らなかったのだ。

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