帰って来なかったあの子

@suzuki2019

第1話

私の名前は、五月橋。

突然だが私は心霊スポット巡りが好きだ。

だから、心霊スポットには友達のcちゃんとよく行く。

今回は病院の廃墟に行くことになった。

その廃墟は「壊れかけのエレベーターに一人で入るとその人はいなくなってしまう」という噂が流れている。

気になった私達はその廃墟に行き、どちらがそのエレベーターに乗るか決めることにした。


「怖そ~、行ってきなよ。五月橋怖いの好きじゃん。」


「いやだよ。てか、怖いものが好きなのはお互い様でしょ?前cちゃんに一人で行かされたんだから、今回はcちゃんが行ってよ。」


「そう言われると返す言葉がないな……。しょうがない、私が行くよ。でもやっぱ怖いし、なにかあったら大変だから通話しよ?」


「ビビリだなぁ。まぁそれくらいならいいでしょう(ドヤッ)」


「ありがと!」


そして私はcちゃんから見えないところでcちゃんと通話して待機した。もちろん、私の待機している場所からはcちゃんが見えない。スリルを味わうためだ。

cちゃんはエレベーターの中に入ったらしい。


「やっばw」


「cちゃんどうしたの?」


「なんかエレベーターの壁に右を向けって赤い血みたいので書いてある。」


「やばいじゃんw右向いてみてよ。」


「はいはい。おぉ、また壁に右を向けってさっきと同じ字で書いてある。よく見たら、これ血糊っぽいw」


「えぇー!血糊?!」


「誰かがやったっぽいねw」


「噂も所詮噂だったってことかぁ……」


「ドンマイ♪」


「………なんか悔しいから、その壁に書いてあることの指示通りにして!」


「意味ないけど?w」


「いいの!」


「はいはい。じゃあ右向こ。……あれ?また壁に右を向けって書いてある。右向こう。また同じだ。右向いて、また同じ。右向いて、また同じ。右向いて……。ん?来た廊下が見えるだけじゃん。」


「えぇ、なにそれ。つまんない!」


「まぁまぁ、今回は噂だけのハズレ廃墟だったってことで。」


「はぁ。まぁそんなこともあるか。じゃあ、帰ろう?早くこっち来て。なんかここの廃墟、雰囲気だけは異常に怖い。」


「誰だよ前に私のこと「ビビリだなぁ。」って言ったやつ。」


「いいから、早く病院の入り口に戻って来て!」


「はいはい、わかりましたよ。……………ん?五月橋さ、本当に病院の入り口にいる?」


「えっ、いるけど。」


「かくれんぼしてない?」


「してないよ!入り口に立ってるもん。」


「なんでいないの………」


END

二人はなぜ会えなくなったのでしょうか?

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