ペタ、ペタ
葛西 秋
真白な場所で
そこに現れたのは、小さな何かだった。
何もない空間に突如現れたシミのような埃のようなそれは、自分で動く意思を持っていた。足も手もなく、ただ丸い。いや、伸びれば小判型。やがてそれは伸び縮みを繰り返しながら、移動を始めた。
ペタ。
それが動くと何もない空間に微かな音が生まれた。
ペタ、ペタ。
餌は腹側にある孔から。移動している面をこそぎ取って食べている。けれど歯音も掘削音も聞こえない。
ペタ。ペタ。
ペタ、ペタ。ペタペタ。ペタペタペタ、ペタ。
次第にそれは大きくなった。伸縮しても体は丸々と膨らんで、上手く動くことすらできなくなった。それは動くことを止めた。
動かずに、一日。ふいに、ブルンと大きく身を震わせて、それはこれまで行わなかった極端な伸展を開始した。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
そしてぷつん、と二つに分かれた。
ペタ。
ペタ。
ペペタタ、ペペタタ。
二つに分かれたそれは、それぞれが別の方向へ移動し始める。
足も手もなく、ただ丸い。いや、伸びれば小判型。やがてそれは伸び縮みを繰り返しながら、移動を始めた。
次第にそれは大きくなった。伸縮しても体は丸々と膨らんで、上手く動くことすらできなくなった。それは動くことを止めた。
動かずに、一日。ふいに、ブルンと大きく身を震わせて、それは再び極端な伸展を開始した。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
そしてぷつん、と二つに分かれた。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
二つずつ分かれたそれは、それぞれが別の方向へ移動し始める。
足も手もなく、ただ丸い。いや、伸びれば小判型。やがてそれは伸び縮みを繰り返しながら、移動を始めた。
次第にそれは大きくなった。伸縮しても体は丸々と膨らんで、上手く動くことすらできなくなった。それは動くことを止めた。
動かずに、一日。ふいに、ブルンと大きく身を震わせて、それは三度、極端な伸展を開始した。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
そしてぷつん、と二つに分かれた。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
二つずつ分かれたそれは、それぞれが別の方向へ移動し始める。
足も手もなく、ただ丸い。いや、伸びれば小判型。やがてそれは伸び縮みを繰り返しながら、移動を始めた。
次第にそれは大きくなった。伸縮しても体は丸々と膨らんで、上手く動くことすらできなくなった。それは動くことを止めた。
動かずに、一日。ふいに、ブルンと大きく身を震わせて、それは何度目かの、極端な伸展を開始した。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
そしてぷつん、と二つに分かれた。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペペペペペペペペペタタタタタタタタタタタタタタタタ、ペペペペペペペペペペペペペペペペタタタタタタタタタタタタタタタタ。
二つずつ分かれたそれは、それぞれが別の方向へ移動し始める。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
足も手もなく、ただ丸い。いや、伸びれば小判型。やがてそれは伸び縮みを繰り返しながら、
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
移動を始めた。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
ペタ。
次第にそれは大きくなった。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
伸縮しても体は丸々と膨らんで、
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
ペペタタ、ペペタタ。
上手く動くことすらできなくなった。それは動くことを止めた。
動かずに、一日。ふいに、ブルンと大きく身を震わせて、
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
ペペペペタタタタ、ペペペペタタタタ。
それは何度目かの、極端な伸展を開始した。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ぐうっと前に。ぐうっと後ろに。
体の真ん中が次第に細くなっていく。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ぐうっと前にペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ぐうっと後ろにペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ。
ペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタ体の真ん中が次第に細くペペペペペペペペタタタタタタタタ、ペペペペペペペペタタタタタタタタなっていく。
ぷつん。
ペタ、ペタ 葛西 秋 @gonnozui0123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
甑のまじない/葛西 秋
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 20話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます