第13話恋模様

恋愛感情なんてのは一時的なものだ、どれだけ上手くやろうといずれなくなる。だからこそ恋愛感情で交際をするのはただの遊びのようなものだ。その時は本気だのどれだけ思っていようが所詮は一時的な感情でしかない。


「俺、赤羽のことが好きなんだ」


それでも人間は恋をする残酷なものだ。

この相談をしてきたのは、高校で1番仲のいい男子、荒木だ。ことの経緯は、突然「ちょっと相談乗ってくれない?」と言われて、放課後にこうして、ファミレスに来て見ればこうだ。


「そうか、帰っていい?」


「え、ちょっとなんで?話くらい聞いてよ」


「てか、なんで俺なんだよ」


「ほら赤羽ってさどっかほかの人と線引きしてるっていうか、孤高って感じするじゃん?だから共通の友達が冷くらいしかうかばなくて」


「まあ、確かにそれはな」


はーなんでこいつはよりにもよって赤羽なんだよ、それだけ顔がよけりゃ荒木のこと好きなやつだってたくさんいるだろうに、よりにもよって本気で顔なんてどうでもいいとか言いそうな赤羽を、、、まあ荒木の性格が悪いわけじゃないし、むしろいいほうか。


「なー俺どうしたらいい?」


「接点は?」


「学校で軽く話すくらいだな」


「なるほど」


「なー冷はどうやってなかよくなったんだ?」


「ゲームだな、たまたま同じゲームが好きだったんだよ」


「へー赤羽、ゲームするんだ、ちょっと意外かも」


「まぁな、俺も最初は驚いた」


「何のゲーム?」


「格ゲーだけど」


「もっと意外、格闘ゲームって女性少ないイメージだったわ」


確かに格ゲーは比較的男が多く男率が高いものが多い


「この格ゲーはキャラが可愛いのも多いから、それなりに女性でもやってる人いるんだよ、それでも男性の方が多いけど」


「これ俺もやれば話すきっかけになるかな?」


「赤羽、結構ガチな感じだからかなり時間割いてやり込むくらいの気合いを持てるなら、それはアリ」


「なるほど、ちょっと始めてみるわ、今度繋ぎ頼むわ」


「分かったよ。俺も割とやってるからなんかあったら言ってくれれば教えるから」


「サンキュ!じゃまたな」


そうして俺も家に戻った。

今日はその赤羽とゲームをする約束があるから急いで帰る、と言ってもメールで遅れることは連絡している。


「ただいま」


家に入ると、リビングで2人でソファに座ってテレビでみりあと赤羽がゲームをしていた。因みに赤羽にはみりあのことは伝えてある。多少驚かれたが。


「何やってんの?」


「あ、おかえりなさい冷さん」


「見ての通りだけど?」


そう画面から一切目を離さず答える2人


「いつのまにそんなに仲良くなったんだよ」


「別にそんなのどうでもいいでしょう」


「まぁそうか、俺は夕飯作っとくよ。赤羽、お前も食べてくか?」


「それは流石に迷惑がかかるから」


「構わない、みりあとも仲良くしてくれてるみたいだし、俺たちの兄弟仲を取り持ってくれ、これからも上手くやってかなきゃいけないんだよ、おそらく一生兄妹だからな」


16にして突如言い渡された兄弟宣言、そして両親が離婚しない限り基本的には一生兄妹やらなくてはいけない。そういう関係に俺とみりあはなってしまったのだ。


「そういうならわかったわ、ありがたくご相伴に預からせていただくわ」


その後ゲームに区切りがついたタイミングで赤羽は親に連絡をしていた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

はす @tigerSun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ