桃花褐パレット
秋ノ桃。
第1話
瞼の中で爆ける淡い朱色が
今日もまたつまらない日常を連れてくる。
遊び疲れて隣で寝ていたはずの
スマートフォンは大きな音をたてる。
瞼を開く、その一つの行為を契機に
私の世界には次第に灰色が滲んでいく。
片隅に淡い朱色を残しながら。
その鮮やかな色が飲み込まれる時、私は
改めて暗くて長い一日の始まりを認識する。
灰色に塗れた世界に到着した私の、虚空を眺める視線の先には三日ほど前から点滅を繰り返す白い球が浮かんでいる。
「変化」をし続けるその球は、私に何を伝えたいのだろう。
単調で色味の無い日々をただ消化するだけの私を嘲笑っているのだろうか。
「いつからだろう。」
思わず言葉が漏れたが、答えは明白だ。
桃花褐パレット 秋ノ桃。 @100autumn-peach
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。桃花褐パレットの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます