とうとう書けなくなってしまった

naka-motoo

書かずにはいられないのに書けない

うつ病になりました。


初診を受け服薬治療を始めて途中の診断で薬の量を増やし、飲んだ翌朝は少し焦燥感や絶望感が薄れていたのでこのままだましだましで回復に向かえばと思いましたけれどもその日に仕事で大きな問題が発生しました。


脳の血管が絞られるような感覚。


仕事の帰り、大きな川の大きな橋の上を彷徨って神社まで歩き、そのまま今度はまた職場まで同じ道を戻って事務所に入り込み。


何をすることもできないまま取り返しのつかなくなった資料を眺めて。


胃のあたりをつねるようにでもしないと堪え切れなくて。


思わず喉の奥で鳥のような呻き声を上げて。


解決にも何もならないのでうめき声が泣き声に変わる前に職場を再び出て暗闇を歩いて。


帰宅すると失敗に関する電話を受けて目をぎゅっと閉じてただひたすらに後悔の念に駆られて。


連休の中、実家の台所で調理をする際も段取りも何も曖昧なまま、調理酒や出汁や醤油の加減も全く脳内でなぞることができず。


やっぱり細かく喉の奥で鳥の声のような高周波の懺悔を閉じ込めて。


泣くにも泣けず、なぜならば悪いのは自分だから。


自分に原因があるから。


おそらくはわたし自身の気質と子供の頃のいじめといじめに対する、わたしが情けない人間だからいじめられるのだという身内を含めた論評とによって発症の土台がずっとずうっと建築されてきていたんだろうと思う。


ちょうど今特別若いひとたちに向けた楽しい小説をなんとかして書いているところだったのですけれどもそういうことができない。


仕事に支障をきたすのと同様に。


だからただただこの文章を打つことしか今はできていません。


このまま朽ちたくはないけれども既に朽ちてしまっているのではなかろうか。


どうか明日の早朝覚醒の時には世界が変わっていますように。


楽しく生きることのできる世界になっていますように。


でもそれってわたしが書く小説で世界をそうしたかったはずなのに。


落ちぶれた、っていう言葉が耳鳴りのする左耳に混じって流れてくるみたい。

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