うたへうたえ
うらひと
1章
1-A 『見上げればはらりはらりと舞い落ちる言の葉重ね歌う恋文』
「――通学路
「――夢の中のー忘れ物をー」
――実は、通学路は大体
歌奈は、そう言ってはにかむ。
* * *
始まりは、校舎そばのベンチだった。歌奈が、家の事情で
「ねえねえ、ベースやらない?」
「へっ?! えっあっ、何でしょう?」
しかし、返事のほぼすべてが『ベースって地味でしょ』というもの。『いやわかるけどさ』とふくれっ
「
「はあ、そうですけど……」
そこで、
「――うーん……確かに、ポップスではやってたんですけど、エフェクターまで使わないし」
「エフェクターまで分かってたら
「あっ、ちょっと、ノート
――ぱさっ。
『
はっと息をのんだ。
確かに『見えた』。歌奈自身の書く歌詞が、
――まるで、歌みたい。
「これは本気。いま本気になった。だって、その一文だけで、景色が見えたんだもん。お願い、作詞も手伝ってくれない?」
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