俺は鈍感って言われるが、確かにそうかもしれない。
しゃけ大根
第1話
「へ、へっくしょん!…うぅ。」
「あんたさぁ、こんなんで寒がってるの?
男でしょう?」
「い、いやお前が異常なんだよ、う、さむ
っ 。」
なんなんだコイツは-2℃の真冬なのにピンピンしやがって、あぁ、コイツは
1年の春、最初の席替えで隣同士になり、
そこそこ趣味が合ったりして何となく仲が良くなった。
「なぁ、高校が一緒になったのは偶然だとして、なんでいっつも一緒に登下校してるんだ?」
「別に、理由なんてないけど何か?」
「いや、少し気になっただけだ。」
「ふーん、そう言うことにしとく。」
「だから、少し気になっただけだって。」
「はいはい。」
まぁ、コイツと帰るのが嫌な訳では無い。
むしろ話してて楽しい部分が多い。
しかしコイツは意外と可愛く、モテるのだ。
こんなヤツが俺みたいな自己評価が低めな顔面偏差値普通の男と一緒にいていいんだろうかという考えを俺は持っている。
俺の近くでも、コソコソと俺と理央が付き合ってるんでは?という噂を耳にする事が多い。中には俺に対して嫉妬を向けてくる男も多いが、別にそんな気にしている訳でもない。
「ねぇ、冬休みも終わって高校1年のさいごの試験があるのよ?シャキっとしなさいよシャキっと。」
「し、仕方ないだろぉ冬休みのだるーっとした感じがまだ抜けてないんだから。」
「冬休みが終わってもう1週間も経つのよ?流石にまだ冬休み気分とか終わってるわ。」
「わ、悪かったなァ、てかお前にとやかく言われる義理はないんだよ。」
「なによ人が完璧なアドバイスをしてやったって言うのに。ホントつれないわね。」
「自分で自分のアドバイスを完璧とか言うやつに構ってやるなんて勘弁だっ。」
こんな感じでいつもとやかく俺の周りのことをブツブツと言ってくる、お前は俺のなんだっていう話だ。母ちゃんでもないんだからよ。
「あー、そうだお前ってどういう風に勉強してんだ?かなり点数良いだろ。」
「ひーみーつー、生意気なあんたに教えるなんてしないわ。ドンマイ。」
「チェッ、そうですか。お前ん家が俺ん家で、勉強会でもやろっかななんて思ってたんだけどなー。まぁ、お前が行くなんて言うわ…」
「い、行く。アンタん家でやるなら行く。」
「へ?今なんて?」
「だーかーら、アンタん家で勉強会するなら行くって言ってんの!バカっ、何回も言わせないでよっ!」
「お、おう。」
こうして俺の家で勉強会が今度の土曜に開かれることになった。
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