第3話
「そう、それが。うん、そうして…」
現在、俺の超絶近くで理央に勉強を教わっている。なんだかいい匂いがぁ…って俺っ!
理性を保て理性を。髪もいい感じに…
ダメだ、俺っ!この理央はいつもウザったらしい理央だぞっ!
そう、俺はこの仲良くしている友達こと理央と心の中で戦っていた。
「なぁ、やっぱお前勉強教えるの上手いな。勉強出来るだけあるわ。」
「そ、そう?ま、まぁこのくらい当たり前だけどね。」
一瞬嬉しそうな顔をしたがすぐにドヤ顔へ切り替わった。コイツの表情どうなってるんや。
「あー、そう言えば2人で住んでる理由。
お前になら話してもいいな。まぁ、なんやらこうたら…」
「ふーん、そんな事情があったのね。まっお疲れ様って感じ。」
「かなり前の話だけどな。」
確か俺が小5くらいのときだな。急に離婚だのどうだの言ってたのは覚えてる。その時はハッキリとした理由は知らなかったけどな。
それでも父さんは新しい母さんが欲しいらしく、絶賛婚活中だ。どうかバツイチの父さんを、だれか貰ってやってくださいと切実に思う。
「なぁ、もう6時だぞ?帰らんくていいのか?」
理央に勉強を教えてもらっていると気付けばもう時計の針が午後6時を指している。理央が家に泊まるなんてことはないだろう。にしても理央のカバン、デカイな。
「帰るって、私今日は泊まっていくつもりだったけど?」
「へ?ちょっと待て。理解が追いつかない。泊まるなんて冗談だよな?うん、そうに違いな…」
「泊まるって言ってるでしょ。」
「い、いやマズイだろ、いくら仲良くても俺らは男女だぞ?何があるかわからないぞ?」
「その時はその時で…んもう、泊まるって言ったら泊まるのっ!親にも許可取ったから!」
「そうかそうか、親にも許可とったのかー、なら平気だな。ってなるかー!ダメなもんはだめだろっ!」
「もう親に伝えてあるし、今から帰るなんてできないわ。」
「そ、そうだ父さんに許可を…」
俺は、流石に父さんに女友達が家に泊まりますなんて言ったって許可してくれる訳が無いと思い、電話をする。
「プルルルー、プルルルー。」
「もしもし?どうした、日高。」
「あのさ、女友達が家に泊まりたいって言うんだけど流石にダメだよ…」
「あぁ、別にいいんじゃないか?」
「へ?」
「ただの女友達なんだろ?やましい関係でもないんだったら泊めてあげればいいじゃないか。父さんも今日は帰らないし。」
「と、父さんまで…」
「まぁ、了解した。じゃあな仕事もどる
わ。」
「ブチッ、プー、プー。」
父さんまで理央が家にことを許可するなんて、俺たちは男女。男と女だぞ?いいのか?
ダメだろ普通。付き合ってもないんだからさ。でも、せっかく理央とお泊まりできるんだしいいのでは?とか思ってしまう自分がいたのだった。
「ま、まぁ、いっか。」
「ほ、ホント?い、いや。なんでもない。」
また、一瞬嬉しさを出した理央を見た。
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