第5話
「ふんふんふーん。よしっ、まぁこんなもんかな。理央、飯出来たぞー。」
「へぇー。アンタにしてはいいもんつくるじゃない。」
「お前に言われたかねぇよ。」
そう言って俺と理央は「いただきます。」という魔法の言葉(?)を唱え俺史上最高の出来上がりのハンバーグを口に運ぶ。じゅわぁっと肉汁が溢れる。
「ホント最高だな。」
「ま、まぁ。いい出来なんじゃない?」
「はいはい。お褒めに預かり光栄です。」
理央は「まぁ、当然じゃない。」なんて言いつつも目をキラキラと輝かせながらハンバーグを食べている。もっと表に出せばいいのに。
「俺、もうすぐ食い終わるけどお前先風呂入るか?」
「いや、アンタからでいいわ。家に住んでる人優先でね。」
「お前の口から優先なんて言葉が出るなん」て、成長したな。」
「よ、余計なお世話よっ!」
「じゃっ、風呂行くわ。」
てっきり理央は一番風呂がいいなんて言うと思ったんだがまさか優先なんて言うなんてな。
「お、体重あんまかわってないな。」
俺はあまり太らない、でもそんなに痩せてない。というなんとも羨ましい体質をしてるだろ?こんな感じで何を食おうと体重60キロぐらいをキープしている。
「はぁ、風呂ってやっぱいいなぁ。」
俺は風呂が好きだ。ていうか温泉が好きなんだがな。ホテルの温泉とか最高だよな。マジで。まわりに温泉好きの人がいないため温泉巡りがしたいが出来ない。悲しいだろ?
こうなったら理央でも父さんでも誰でもいいですから一緒に行ってください。ひとりじゃ嫌です。ぐすん。そんなことを考えてると、「コンコン。」と風呂のドアを叩く音が。
「え?理央?父さん?」
「わ、私。背中でも流そうかと。」
「へ?」
背中を流す。理央はそう言ったか?言ってないよな。幻聴、幻聴。きっとそうだ。
「理央、ハンバーグのおかわりならフライパンの中だ。勝手に食っていいぞ。」
「だ、誰がハンバーグおかわりしたいなんて言った!背中を流してあげるって言ってんでしょ!」
「お、おい。俺の家に理央は泊まり、背中まで流すなんて、俺を世間一帯から滅ぼすつもりか?」
「そ、そんなこと言うならやってあげない。」
「すみません。理央さんに背中を流してもらえるなんて光栄です。」
「い、言っとくけど水着、着るからね。」
「お、おう。」
と言って、理央は最高の水着姿で俺の体の隅々まで洗ってくれた。(エロい意味ではない。)
ん、でもなぜ水着をもってきているのだろうか。
うんうん。気にしたら負けだ。
「り、理央今日どうかしたか?泊まりたいとか背中流すとか。」
「いっつも迷惑とかかけてるかもしれないからそれの謝罪みたいなもんよ。」
「そ、そうか。ま、そういうことにしとくわ。」
その後、俺と理央には何もないまま1日を終えた。
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