エピローグ

 その日の放課後、文芸部室。


「なんだ付き合ったわけじゃなかったのか」


 今までの事情を全て話すと、先輩はほっと胸を撫で下ろした。


「すいません、先輩。ご迷惑をおかけしました」


「いや、いいよ。ライトノベルのいい題材になったしね」


「それで先輩にもお願いがあるんですけど……」


 そのとき、部室の扉が開いた。入ってきたのは取っ組み合い中の七海さんと美鶴。


「いた! 高良! 一緒に帰ろう!」


「いんや、転校生は私と帰るから。なんたって私は彼女ですから」


「はあ!? 彼女ったって偽物でしょ?」


「転校生、葵さんに言ったのはどうしてかな? まさか葵さんに彼女になる可能性を与えるためじゃないよね♡」


「え、わからないけど、普通に美鶴に聞かれたから……あ、美鶴、先輩、お願いがあります。俺と友達になってください」


「私は嫌……かな」


「もちで嫌! ってあれぇ? 七海は言われてないってことは、もしかして友達なのかなぁ?」


「転校生、友達からって言ったのはなしで」


「ええ……」


 何が何だかわからないけれど、結局友達になれなかったようだ。


 でもだからって、俺も諦めない。きっとこれからも俺は皆と関わり続ける。そして何度も友達になろうと求めるだろう。


 そう思って俺は、厚かましい奴だな、なんて笑った。



————————————————————————————————————

これにて完結です。

本編ターニングポイントからの美鶴ルートは以下のリンクから。

https://kakuyomu.jp/works/16817330650638401524

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奴隷扱いしてくる幼馴染に「友達もいない陰キャが話しかけてこないで!」と言われたので、見返すために有名な美少女と友達になると決める。だけど友達以上恋人未満になって、友達ができません。 ひつじ @kitatu

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