エピローグ
その日の放課後、文芸部室。
「なんだ付き合ったわけじゃなかったのか」
今までの事情を全て話すと、先輩はほっと胸を撫で下ろした。
「すいません、先輩。ご迷惑をおかけしました」
「いや、いいよ。ライトノベルのいい題材になったしね」
「それで先輩にもお願いがあるんですけど……」
そのとき、部室の扉が開いた。入ってきたのは取っ組み合い中の七海さんと美鶴。
「いた! 高良! 一緒に帰ろう!」
「いんや、転校生は私と帰るから。なんたって私は彼女ですから」
「はあ!? 彼女ったって偽物でしょ?」
「転校生、葵さんに言ったのはどうしてかな? まさか葵さんに彼女になる可能性を与えるためじゃないよね♡」
「え、わからないけど、普通に美鶴に聞かれたから……あ、美鶴、先輩、お願いがあります。俺と友達になってください」
「私は嫌……かな」
「もちで嫌! ってあれぇ? 七海は言われてないってことは、もしかして友達なのかなぁ?」
「転校生、友達からって言ったのはなしで」
「ええ……」
何が何だかわからないけれど、結局友達になれなかったようだ。
でもだからって、俺も諦めない。きっとこれからも俺は皆と関わり続ける。そして何度も友達になろうと求めるだろう。
そう思って俺は、厚かましい奴だな、なんて笑った。
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これにて完結です。
本編ターニングポイントからの美鶴ルートは以下のリンクから。
奴隷扱いしてくる幼馴染に「友達もいない陰キャが話しかけてこないで!」と言われたので、見返すために有名な美少女と友達になると決める。だけど友達以上恋人未満になって、友達ができません。 ひつじ @kitatu
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