第6話 世界の行く先

英雄たちは騒めいている。

邪神アンラ・マンユ。

恐るべき邪悪な気配が一瞬で消えた。

下に居た英雄たちには何が起きたのか分からない。

そして強大な魔力が近付いてくる。

力の塊が空から降ってくる。


「いったいこの世界はどうなってしまうんだ」




俺は既に地上に辿り着いた。

大空から降りてきて、地面に激突。

そこの地面には人型の大穴が開いてる。


俺の歩きながら自分の手足をチェックする。

ケガ一つ無いみたいだ。

頑丈に出来てるな。


「ステータスがステータスですからねぇ」


俺の前にステータス画面が表示される。


【物理防御:9999】

【魔法防御:9999】


そっか、便利だね。


俺はふと思いついて小石を拾う。

小石を普通に持つ事が出来る。

今度は小石を割ろうと指に力を込めてみる。

瞬間、小石はバラバラに砕けた。


これなかなか調整が難しそうだな。

なんせ俺のステータスは。


【攻撃力:9999】

【行動速度:9999】


バカみたいな数値なのだ。




『未来を見通す唯一の聖母』は言う。


「強大な力が落ちてくる先は!

 町の近く、この大陸最大の都市アテネポリスの側!」


「何だと!」

「あそこには100万の民が住む」


「この力が落ちたなら町などどうなるか」

「町どころか、大陸すら影響を受ける」


「住民のほとんどが死に絶えるぞ」


「すでに肉眼で見える位置です」


そう大聖堂の窓から見えている。

巨大な隕石の様な落下物。

輪を描くナニカ。

大気圏との摩擦熱で燃え上がる。

赤い巨大な物体。

それはヒト族の終末の来訪を思わせた。


だが。

突然消える。

天に浮かぶ燃え上がるモノが無くなる。


「消えた!」

「何が起きたのだ」


『未来を見通す唯一の聖母』だけは見えていた。


「イヌ?!」


「ネコ?!」



巨大な物体は突如消え失せた。

どう反応していいのか。

大聖堂が静まりかえる。


『未来を見通す唯一の聖母』が膝を曲げる。

腕を上下にする。

そして叫ぶ。


「シェーーーーーーー!!!」

「シェーーーーーーー!!!」

「シェーーーーーーー!!!」

「シェーーーーーーー!!!」

「シェーーーーーーー!!!」


もちろん叫ぶしかない英雄たちである。





俺は歩き出す。

上空から見た時は……。

確かアッチに行けば大きい町が有った筈。


ご飯食べたいな。

産まれてからまだ何も食べてないや。

俺は食欲を感じる。

町は五分も歩けば着くだろう。

しかし良く考えたらお金持ってないな。


「金なら作れますよ」


ロゴス知恵ちゃんが言う。


【スキル:元素変換Lv1】

【スキル:元素変換がLv1からLv9999にレベルアップしました】


俺の手に持ってた小石のカケラ、それが輝くゴールドに替わる。


「ダイヤモンドにも出来ますけど」

「これでいいよ」


俺の中には無敵のパワー。

無限のスキル。

気楽に行くとしよう。



こうして真性竜は生きて行く。

数億年の寿命で、大陸中を旅して廻るのだ。

その道中何が起こるか。

この世界がどうなるかは誰も知らない。


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古今東西最強無敵チートモンスター何処へ行く。 くろねこ教授 @watari9999

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