メガネ

@mohoumono

第1話 メガネをかける

 

ある男は、毎朝起きて、ご飯を食べてから

メガネをかける。


カチャ、男は、

スマートに手際良くメガネをかけた。


男は、背伸びをし欠伸をした後

「今日はどうするかな?」

寝ぼけた顔でそう言った。


男は、机の上にある時計を見る。


「まだ8時か。」


男は、再度欠伸をし、目を閉じる。


プルル、プルル、プルル、

突然電話の着信音が鳴った。


男は、少しの間状況を整理できず

あたふたとする。


男は、慌てながらも電話に出た。


「ああ、もしもし

 もしかして今起きたの?」

電話の主は、呆れた声でそう言う。


「いや、起きたのは結構前だけど

 なんかあったっけ?今日?」

男は、寝ぼけた声で言う。


「お前なぁ、今日中間テストだろ?

 これ受けんかったら

 単位落とすって何度も言われとったやろ

 ほんま、真面目なんか不真面目なんか

 ようわからん奴やな。」

電話の主は、怒ったような口調で言い、

最後の方には呆れた様子で、

ため息を吐いていた。


「悪い、悪い、そんな怒らんでもいいやろ。

 今すぐ走っていくわ、

 気にかけてくれてありがとうな。」

男は、爽やかな口調で言う。


「はいはい、どういたしまして。」

電話の主の声の高さが少し上がる。


男もそれに気づいたようで少し笑った。


そして、男は、

用意も含め数分で学校に到着した。


そして、教室に入り席に座って

授業を受ける。


授業で騒ぐ生徒の声が

入り混じっていたのに気づき

僕は、蝉の音と共にミュートをする。


授業を受けた後は、

メガネのレンズが曇らないように

メガネを外し、ラーメンを食べる。

そして、

違う授業を受けるため、メガネをつけた。


けれど、教授の声が

子守唄に聞こえてしまうほど

眠くなり、それでも起きようと耐えるため

ヘッドバンキングのような

上下運動を繰り返す。


勢いが良かったのか机にぶつけ

痛みが強く、血が出てないか確認するため

メガネを外す。

良かった。血は出ていなかったようだ。


僕は、安堵してメガネをつける。

授業が終わった後、サークルに行った。

楽しいけど、やっぱ生だよななんてと

友達と話す。


気がつけば1時間も経っていたので

じゃあまた明日と友達に手を振って

別れを告げた。


夜ご飯を食べるため、メガネを外す。

もそもそと動画を食べながら

ゆっくりと食べる。

味は、美味しいけれど、不味い

お腹を満たすためだけの食事は

とてもつまらなかった。


はぁといつものようにため息をする。


風呂も今日は汗もかいてないし良いかなんて

考えながら

靴下や服を部屋の隅に集めた。

それが袋に当たったのは分からないが

その横で異臭を出すゴミ袋が

僕を笑うかのようにカサカサと音を出す。

次回収に来るのは、

一週間後かとカレンダー見て

遅いなと呟いた。


僕は、

疲れたためそのまま布団に倒れ込み寝た。


そして、目が覚め朝になった。

顔を洗うため、鏡を見る。


髭が生えているが剃る気は起こらなかった

外に出る必要もない、人とも会えない

そりゃそうだ、誰でもそうする

毎日そう言うたび、

何かがすり減っていくような気がして、

髭も剃ってないのに、

洗面台の排水溝が詰まるそんな気がした。

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