煌めく宝石を光に翳したような美しさを感じます

 図書室という静寂の中で、物語の中に没頭し、喜怒哀楽するクラスメイトの彼女。話したこともないけれど、主人公が彼女を本当に好きなんだという感情が伝わってきます。
 彼女の描写が細かく、それが本当に煌めいているので、誰も知らない僕だけの宝石を鑑賞しているような印象を受けました。
 そこには「見つめていたい」という気持ちだけで、距離を縮めようとか話しかけようとかいうものは感じられません。
 主人公の純粋な想いに、甘酸っぱい青春を体験させてもらえるような作品です。