額縁

ゆう

第1話

最近、街へ出かけるたびに

小さな額縁を探している。


もちろん何でもいいわけではない。


ぴったりの額縁を探すために、

わたしはあちこちのお店で

額縁のコーナーを見つけると

とりあえず一通り手にとって吟味している。


お気に入りの雑貨屋さん、

商店街の画材屋さん。

いざ探してみると、

額縁はありそうでなかったり。

思わぬお店の片隅で見かけたり。


先日は古着屋さんの一角に

額縁コーナーを見つけて、

しゃがみこんで探してしまった。

ワンピースを見ようと入ったはずなのに

気づけば気に入った額縁2つを抱えて

満足してお店をあとにした。


わたしが額縁をあつめるようになったのには

ちゃんと理由がある。


ずっと飾りたい写真があるからだ。


突然お別れすることになった大好きな友人。

彼女が亡くなってから、

わたしは彼女の写真が見れなくなった。


でも、彼女の写真はたくさんあって、

いつかそれらを飾れるようになったとき

ぴったりの額縁に入れたいから

いまは街で額縁を探している。


いつか、わたしの部屋が

彼女の写真が入った額縁で

溢れる日がきますように。


スマホに眠る飾れない写真たちを

ちゃんと飾れる日がくることを夢見て

わたしは今日も街で額縁を探している。

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額縁 ゆう @chappo

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