第3話 宇宙人に誘拐されるプロを自称する私の、『おやつ物語』
中学校の帰り道。突然辺りが光に
そしてまだ地上を離れて三メートル程。
ずいぶん遅い。この宇宙人のテクノロジーはそれほど高くはないのかも知れない。いや地球に比べれば
それにしても、
まだ五メートルくらいだ。まだまだ十メートル以上あるのに。そして腕を組み、
あれはたしか小学四年の時。生まれて初めて宇宙人に
渡された
それを食べている間に宇宙人に
そして気づくと家の近所の公園のベンチだった。かなり長い時間が経ったようだったが、家に戻り時計をみても、いつもより五分程度しか違わなかった。
それ以来、大体二、三か月に一度は誘拐されるようになった。だが、毎回違う宇宙人で宇宙船の形も様々だった。最初に
それに宇宙人たちは、毎回必ず甘くて美味しいもをくれる。色や形は毎回違うが、どれもこれも舌がとろけるように美味しいのだ。
それにしても長すぎじゃない? まだあと三メートルはある。
宇宙人に誘拐されるエキスパートといっても
それとどうやら宇宙人側にも宇宙人同士の情報ネットワークがあり、私の個人情報が
言葉は通じないが、最近ではなんとなくコミュニケーションが取れるほどにまで成長した。最近では、外人よりも身近な存在だ。恐らくここまで宇宙人とコミュニケーションが取れるのは地球人では私だけだろう。多分だけれど。
それに結構宇宙人は皆優しい。すごく嫌がることはして来ないし、痛い思いや
これは私の想像だが、彼らも攫われ慣れているほうが、きっと接しやすいのだろう。人によっては発狂しかねない事態だし……。彼らは地球人を傷つけたくないのだ。
宇宙人達は地球に興味があるのだ。そこに生きる生命体にも。以前、私の他に宇宙船内でアルパカを見かけたことがある。子供だった私は、初めてまじかで見るアルパカに
さてやっと、
あの甘くて美味しい、この世の物とは思えないおやつを。
そして出迎えてくれた宇宙人は、やはり想像通りのベタな姿だった。
白桃狼のおかしな幻想短編集 白桃狼(ばいたおらん) @judas13th
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