エッセイのネタとして鉄板なのは日常の出来事だと思っている。
作者のまわりで起きた出来事を面白おかしく語ってくれるとき、私たちはそれを追体験あるいは柱の陰から見守るものとして楽しむ。
しかし、このエッセイからは作者の日常はほぼ見えない。
ほとんどが書籍や投稿サイトの話なのだ。
では、堅苦しい話やPVをいかに回すかといった話なのかといえば、そうではない。
ついつい話に加わりたくなってしまう、やめどきが見つからないそんな話が続くのだ。
そんなことができるのは膨大な情報を平易に伝えられる作者の博識とやわらかな筆致ゆえなのだろう。
ただ、読んでいて一つ残念なことがあった。
最新話まで追いついてしまって、「次のエピソード」がないのだ。
ぜひとも作者には毎日10エピソードくらい投稿してほしい(というのは多分に本心を含んでいるが、もちろん冗談である)
カクヨムを利用しての、様々な試行錯誤や、創作に関しての作者なりの考え方や、作品に触れていくうえでの作者なりの感じ方というのが、あますことなくそこかしこに散りばめられているエッセイ。
ネット小説の元祖というべきガラケー時代の携帯小説の記述や、作者の読書遍歴が垣間見える、作者の参考文献や作者の愛読書の記述もあり、それらに触れたことのない人に、ああそういう作品もあるのかと新たな発見を促してくれる点も、エッセイとして良質なモノではなかろうか。
私事ではあるのですが、とある現実に絶望していて、もう創作活動など辞めてしまおうかと悩んでいた時に、こちらのエッセイを拝見し、もう一度思い直し創作活動を再開する意欲がいただけました。
一文一文が少なく読みやすくまとめられているので、一気に読了してしまうのもよし、一日一~五文ペースで読むもよし、ともかく読み続けるあなたにも、きっと共感の念が巻き起こること間違いなし。おすすめです。
書く人の悩みそうなところに、ヒントをおいてやさしく希望を点してくれる。
暖かくて文章の学びまである日記。
読み切ってしまった‥‥と、大好物のつまっていた
品の良いお重箱を、もうないよね、美味しかったもん、いただいちゃったもん‥
しゅんとのぞいていたら、
うそ、好きなものからどんどんいただいた、お行儀の悪いわたしでよかった
まだ読めていない日記があった、嬉しい!
また枯渇感を感じないよう、大事に大事に。いただこう。
書く人にきっと、品質の良い、あたたかな満腹感と希望をあたえてくださる
日記。本棚にも並べたいです。